【銀魂】我世誰そ常ならむ【高杉晋助】

意思を持つ ページ25

「――――意思を持つ道具は、そう簡単にゃ壊れねェ」



何故ならそこに自我があるからだ、と。



「自分の意思でこうすると決めた奴ァ、易々と折れねェ。･･てめェもそうだ」


「････私･･･？」


「自分の意思で俺についてくると決めたんだろ。――なら脆いわけがねェ。･･強いかどうかは別としてだが」



くく、と彼は少し笑い。



「――で、どうすんだ。･･･てめェは知りてェのか、知りたくねェのか」



････そんなの、決まっている。



「――――教えて下さい。･･･貴方が知らせてくれるというのなら、私も知りたいです」



高杉さんは満足そうに口元を緩ませた。



「････ならいい。･･ついてこい」

「･･ついていく･･･？」



煙を吐き出した彼は、ゆったりとした動作で立ち上がる。･･そして。



「――――百聞は一見に如かずだ」


私を見下ろしつつ、言ったのだった。




＊


――――――――



「――――ここだ」



――と、高杉さんが口を開いたのは私たちが部屋を出てから数分後のことで。



「････ここ、ですか」



更に言うと、船内に数ある扉のうち一つの目の前でのことだった。――というか。


(･･･こんな、普通のところに･･？)


そう思ってしまうのは可笑しいだろうか。




･･だって、今目の前にある扉は至って普通のものであり。････こんなところに本当に何かあるんだろうか。


すると、そんな私に気づいたのか。




「･･･心配はいらねェ。･･ここにあるのは見本みてェなもんだ、他は違う船にある。･･いずれ移ることになるだろうな」


･･と、高杉さん。



「･･見本？」


「――まァ、見りゃ分からァ」




――そんな言葉とともに、その一つの扉が開かれた。

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