【銀魂】我世誰そ常ならむ【高杉晋助】

使い勝手と意思と道具 ページ24

「･･大、波乱･･･」



呆然と呟く私に「気に入らねェことでも」なんて高杉さん。

････勿論、気に入らないことなんてないけれど。



「――教えて、下さるんですか」



気になることならば、ある。

･･だって、私はつい二日前に“道具に徹する”と･･――“知りたい”なんていう欲は出さないと決めたはずだ。･･なのに。



「････私は、それを知ってよろしいんですか」



――彼は私に知らせるという。

道具に、知識を与えると。



「･･不満か」


「不満なわけありません。･･･しかし、私は道具のはずでしょう」



道具に、駒に。知識を与えるということは、意思を持たせるようなもので。



「･･････道具に、自我を持たせるのですか」



――決して彼を非難しているのではない。･･ただ、疑問で。


私は“道具に意思はいらない”と考えたのだ。しかし高杉さんはそう思っていない。･･･彼は、どう考えるのだろうか。



･･これも一応、“知りたい”という欲に入るのかもしれないけれど、抑えきれないくらいに気になった。高杉さんの思うところはいつも謎で――･･人を惹きつけるのだ。



「････どうして、でしょう」



もう一度噛み締めるように、その人へ問うてみれば。



「･･･どうして道具に意思を持たせるか、ねェ」


「･･はい」


「確かにてめェの言う通り、道具は自我がねェ方が使い易いだろうな」



だが、と彼は言葉を続ける。





「――――意思のねェ道具は軟弱だ」


「･･･軟弱･･？」


「確かに使い勝手はいい。･･だがそこまでだ。

折れる時にゃ簡単に折れるし、壊れる時にゃ簡単に壊れる。――脆いことこの上ねェだろ」




その分、意思を持つ道具はどうだ？なんて。

一つ紫煙を吐き出したのち口を開く高杉さんを、私は只々見つめた。

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