ある日の夕暮れ ページ22
だって本当に何も知らないのだ。今回の詳しいことも、何も。
春雨の方だって見かけるだけで、鬼兵隊の忙しさもぼんやり見つめるだけで。――稽古場でただ一人剣を振っているというのはとても贅沢だ。
･･･贅沢すぎて、落ち着かない。
(･･･―――まぁ、)
･･何よりも先に腕を上げなければならないということは、わかっているんだけれど。
それでも詳しいことを知りたいと思うのは生意気だろうか。欲が出てきてしまったのだろうか。
「――･･はぁ･･ッ」
――気の迷いを振り落とすように、刀を振って。
(･･･欲、なんて･･。)
出したらいけない。･･駒なのに、道具だっていうのに。――そんなもの持ったらいけない。
昔から意志を持った道具は敬われるか恐れられるかのどちらかだ。･･どちらにせよ、その道具が厄介なことに変わりはない。
そして、高杉さんはそんな厄介なものを使うほど甘くない。もっと賢くて。
(――･･捨てられてしまったら、終わりだもの。)
自分の弱さを、迷いを、不安を。･･振り切るように、また剣を振った。
――――使い物になるためには、きっと。
自分の意志など持たずにただ彼を見つめて、強くなって道具に徹するしかないのだろう。
････そんなことを思った、ある日の夕暮れなのだった。
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中村@受験終了！(プロフ) - えうさん» ご指摘ありがとうございます！完全に無意識で、冷や汗が流れました(;´д｀)きっと知らせて頂けなかったらあのままだったと思います。本当に有難いです。 また何かやらかしてましたら、ご指摘頂けるととてもとても助かります。本当にありがとうございました！ (2015年3月15日 10時) (
レス) id: 0d3c6b7cce (このIDを非表示/違反報告)
えう(プロフ) - 『彼だからこそ』の回で夢主が高杉に対してご苦労様と言ってますがそれは自分より目下の人間に使う言葉なので不適切では？ (2015年3月15日 5時) (レス) id: 18baf1cf97 (このIDを非表示/違反報告)
中村@3/11受験(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます!!私には勿体無さすぎるお言葉ばかりで、恐縮しきりです(；・∀・)でも本当に嬉しいです･･！ 受験直前につき更新は亀の散歩以下のペースなのですが、出来る限りは頑張らせて頂きますので見捨てないで頂けたら幸いです(*^_^*) (2015年2月28日 10時) (レス) id: 0d3c6b7cce (このIDを非表示/違反報告)
メイビス(プロフ) - このお話、大好きです!!! 本物の小説のような書き方で夢小説ではないみたいです! これからも更新頑張ってください! (2015年2月27日 23時) (レス) id: aec4179d02 (このIDを非表示/違反報告)
ベリープリン(プロフ) - まさに文学って感じの世界観、大好きです！応援してます(｡･ω･｡) (2015年2月22日 19時) (レス) id: 73a7757a7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中村
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時：2015年2月8日 22時
