合点がいく ページ17
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「――あ、深津さん。ちょっと宜しいですか」
――と、稽古中だった私に武市さんからのそんな声がかかったのは、初めて自分から高杉さんの部屋を伺ってから二日が経過したある日のことで。
「・・どうか致しました?」
・・・・そんなことは中々ないうえ彼を見かけるのは久しぶりな気がしたから、私は少々戸惑いつつそう返した。
一方武市さんは、そんな私に勘づいたのか。
「そんなに畏まらなくて結構ですよ。何も取って食おうってわけじゃないんですから。フェミニストたるもの女性は大切に扱いますよ」
「・・・・来島さんは武市さんのことを子供の女性がお好きな方だと」
「全くまた子さんは困ってしまいますね。私はロリコンなんかではなく紳士です」
まぁそれでです、なんて私に向き直ったその人。
「少し紹介しておきたい方がいるんですけど、今大丈夫ですかね」
「・・・・紹介?」
「あ、別にそんな身構えるほどの相手ではありませんよ。怪しくないと言えば語弊がありますけど・・、・・・ここの人なんて皆怪しいようなものですし」
・・・道理である。確かに鬼兵隊という攘夷グループに所属している体の私たちが怪しくないはずがないのだ。――ともかく。
(・・・・・紹介・・・。)
その相手が身構えるほどのそれじゃない、と武市さんは言った。・・しかし。
「・・何故私に、でしょう?・・・あ、いえ。別に嫌なわけではないんですが」
「何故、というより紹介しておかないと不便なんですよ。彼はきっと今後もここに出入りするでしょうし。・・・・・晋助殿からは何も聞いてませんか?」
「高杉さんから――・・?」
・・・・そんなことがあったのか、と一瞬考えて・・――合点がいく。
「――人を喰う刀を、扱う人・・・?」
確か、高杉さんがそんなことを言っていた。
武市さんもその通りだというふうに首を縦に振っており。
「――そういうわけです。・・ついて来て頂けますね?」
「・・ええ、わかりました」
私は額の汗を拭って、武市さんの後に続いたのだった。
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中村@受験終了!(プロフ) - えうさん» ご指摘ありがとうございます!完全に無意識で、冷や汗が流れました(;´д`)きっと知らせて頂けなかったらあのままだったと思います。本当に有難いです。 また何かやらかしてましたら、ご指摘頂けるととてもとても助かります。本当にありがとうございました! (2015年3月15日 10時) (レス) id: 0d3c6b7cce (このIDを非表示/違反報告)
えう(プロフ) - 『彼だからこそ』の回で夢主が高杉に対してご苦労様と言ってますがそれは自分より目下の人間に使う言葉なので不適切では? (2015年3月15日 5時) (レス) id: 18baf1cf97 (このIDを非表示/違反報告)
中村@3/11受験(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます!!私には勿体無さすぎるお言葉ばかりで、恐縮しきりです(;・∀・)でも本当に嬉しいです・・! 受験直前につき更新は亀の散歩以下のペースなのですが、出来る限りは頑張らせて頂きますので見捨てないで頂けたら幸いです(*^_^*) (2015年2月28日 10時) (レス) id: 0d3c6b7cce (このIDを非表示/違反報告)
メイビス(プロフ) - このお話、大好きです!!! 本物の小説のような書き方で夢小説ではないみたいです! これからも更新頑張ってください! (2015年2月27日 23時) (レス) id: aec4179d02 (このIDを非表示/違反報告)
ベリープリン(プロフ) - まさに文学って感じの世界観、大好きです!応援してます(。・ω・。) (2015年2月22日 19時) (レス) id: 73a7757a7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2015年2月8日 22時