飲み込んだ涙と飲み込めない涙 ページ26
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――沖田さんが重傷を負ったという知らせを受けたあの日から、二日が経過して。・・沖田さんが退院するまで団子屋の方は気にするなと言ってくれたお父さんに甘えて、私は今日も病室に来ているわけだけど。
「――・・・おーきたさーん・・、」
――その人は、相も変わらず眠り続けていた。・・もう三日になるか。
(・・・・いつになったら、沖田さんは目覚めるんだろう・・。)
寝坊じゃ済まないよ、沖田さん。・・・・話したいこと、沢山あるのに。その目で、見つめてもらいたいのに。
「・・・はぁー・・」
――なんだか、目頭が熱くなってきてしまう。・・・折角この三日間なんとか涙は我慢してるっていうのに、今ここで泣くなんて出来ないよ、と浮かびかけた涙を押し込んで。
「・・・・・沖田さん・・、」
その人の左手を両手で握り締めた、そのとき。
――ぴくり、と。・・・その手が、動いたような気がして。
「・・・お、きた・・さん・・・?」
恐る恐る、その人の名を呼んだ。両手には自然と力が入ってしまい。
「――――何、してんでィ。・・A」
――数秒の、間を置いて。少しだけ、話し辛そうに。
――――だけど、確かに。・・・確かに聞こえたその声は、紛れもなく沖田さんその人のもので。
「――沖田、さん・・!?」
三度、四度・・、・・・それ以上。こみ上げてきた涙は、今度こそ止めようがなかった。
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ぽっぽ - えってぇてぇ、、、すごい胸に来るものがある (4月30日 22時) (レス) @page35 id: b2924b43fc (このIDを非表示/違反報告)
みずき - 文の構成力とか内容の面白さとか........本当に素晴らしいです!読み込めば読み込むほどその場の風景だったり、人物の感情だったり、様々なことを想像しながら読むことが出来ました!何度も読みたくなる素敵な作品ですね!! (2018年3月7日 0時) (レス) id: 5f5fd54baa (このIDを非表示/違反報告)
イミテンシヤ - もう!最高でした!純粋なお付き合いが美しい!!主人公ちゃんかわいい! (2018年2月18日 19時) (レス) id: 1ec0e336fd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 沖田さんかっこよすぎました。中村さんのさくひんだいすきですほんと!!これからも陰ながら応援させていただきますm(_ _)m (2017年10月13日 1時) (レス) id: 9b72875a2b (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち - 沖田〜カッコいいよーヤバいヤバいヤバい!!!!! (2017年10月12日 17時) (レス) id: 8322775854 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2015年1月6日 12時