普通じゃなかったこと ページ22
「・・そもそも総悟は、純粋な剣の腕じゃ隊内最強だしな。“普通”なら総悟だけで切り抜けたと思うぞ、無傷でな」
「・・・・じゃぁ、今回は何故なんですか・・?」
何が、普通じゃなかったのだろうか。そんな思いから土方さんを見上げると。
「・・武器商人だった、っつっただろ」
「・・・あ、」
「相手側にゃ腐るほど高性能の武器があったわけだ。・・・そこを俺たちが駆けつけるまでは一人で持ちこたえたんだから見上げたもんだが・・」
やっぱり怪我は重くて、この通りだ、と。――土方さんが視線で示した先には、沖田さんの病室へ繋がるらしき扉が位置していて。
「――んで、これが昨日の夜から今日の朝にかけてのことだ。怪我の方は命に別状はねェ。・・まだ眠ったままだが。
・・・他に質問あるか」
短くなったらしき煙草を灰皿へ押し付けながら言う土方さん。ぼんやりとする頭の中で、今説明してもらったことをおさらいし。
「―――じゃぁ、なんで沖田さんは・・」
「あァ?」
「・・沖田さんは、何故そんな大変な中なのにいつもと変わらず団子屋に来てくれていたんでしょうか」
残った最後の疑問を、土方さんへぶつけてみた。・・だってここのところの沖田さんといえば、団子を食べて私を面白がって気だるげに手を振って、と――・・“いつも通り”、だったはずだ。
土方さんは、何かに感づいたように苦笑を零し。
「・・・・テメェにゃ、心配かけたくなかったんじゃねェか」
「心、配・・?」
「あと、ただ単に会いたかったってのもあるだろうな。・・こっちがびっくりする程惚れてやがるぞ、奴はテメェに」
んじゃ行くか、と土方さんは病室の扉へ手をかけて。
未だ頭の中を整理しきれていない私をよそに、それを開けたのだった。
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ぽっぽ - えってぇてぇ、、、すごい胸に来るものがある (4月30日 22時) (レス) @page35 id: b2924b43fc (このIDを非表示/違反報告)
みずき - 文の構成力とか内容の面白さとか........本当に素晴らしいです!読み込めば読み込むほどその場の風景だったり、人物の感情だったり、様々なことを想像しながら読むことが出来ました!何度も読みたくなる素敵な作品ですね!! (2018年3月7日 0時) (レス) id: 5f5fd54baa (このIDを非表示/違反報告)
イミテンシヤ - もう!最高でした!純粋なお付き合いが美しい!!主人公ちゃんかわいい! (2018年2月18日 19時) (レス) id: 1ec0e336fd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 沖田さんかっこよすぎました。中村さんのさくひんだいすきですほんと!!これからも陰ながら応援させていただきますm(_ _)m (2017年10月13日 1時) (レス) id: 9b72875a2b (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち - 沖田〜カッコいいよーヤバいヤバいヤバい!!!!! (2017年10月12日 17時) (レス) id: 8322775854 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2015年1月6日 12時