いくつかの不安 ページ23
――――――がらりと開いた、病室の扉。・・・その向こうには、包帯だらけの沖田さんが寝転がっていて。
・・痛そう、だなぁ。
・・・・本当に、大丈夫なのかな。
・・・・・・・・・・・また、一緒に笑い合えるんだろうか。
「――・・っ」
様々な気持ちが重なって、唇を強く噛み締めた。・・・涙が上がってくるのを感じるけど。
(・・・・泣いちゃ、ダメだ。)
ギリギリのところで飲み込んで、そして。
「――・・大丈夫か」
土方さんからかけられた声に、小さく微笑んだ。
「・・・・大丈夫、ですよ。・・ただ」
「・・・ただ?」
その人の声に、数秒間を空けてから続ける。
「――・・・私はやっぱり、沖田さんとは住む世界が違うんですね」
「あァ?」
「・・私が呑気に団子を売ってる間に、沖田さんは命を危険に晒してるんですよね」
お客さんを笑顔で迎えたり、お冷を差し出したり、暇してたり。注文をとって団子を差し出して、頭を下げて。――そんな、何気ない日常。
私がそれをこなしている間、沖田さんは命を危険に晒して仕事をこなしているのだ。
・・と、私の小さな微笑みに何か思うところがあったのか、土方さんが口を開く。
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ぽっぽ - えってぇてぇ、、、すごい胸に来るものがある (4月30日 22時) (レス) @page35 id: b2924b43fc (このIDを非表示/違反報告)
みずき - 文の構成力とか内容の面白さとか........本当に素晴らしいです!読み込めば読み込むほどその場の風景だったり、人物の感情だったり、様々なことを想像しながら読むことが出来ました!何度も読みたくなる素敵な作品ですね!! (2018年3月7日 0時) (レス) id: 5f5fd54baa (このIDを非表示/違反報告)
イミテンシヤ - もう!最高でした!純粋なお付き合いが美しい!!主人公ちゃんかわいい! (2018年2月18日 19時) (レス) id: 1ec0e336fd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 沖田さんかっこよすぎました。中村さんのさくひんだいすきですほんと!!これからも陰ながら応援させていただきますm(_ _)m (2017年10月13日 1時) (レス) id: 9b72875a2b (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち - 沖田〜カッコいいよーヤバいヤバいヤバい!!!!! (2017年10月12日 17時) (レス) id: 8322775854 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2015年1月6日 12時