番外編:その先の未来で ページ34
・・沖田さんの香りとこの雰囲気と、・・多少の酸欠で頭がクラクラした。
そろそろ離してください、と訴えるように沖田さんの胸板を弱く叩くと。
「――――――はぁッ、・・・・んッ!!?」
唇を離してくれた沖田さん。・・・一瞬だけ。
一度唇を離し、私が息を吸ったのを見計らってそれは再び重なった。・・・・しかも。
「・・・ッ!?・・・・・んっ、・・ゃ・・・ふ、・・・ぅ・・」
今度は経験のないなにかが侵入してきて。
「・・・・っ、・・・や・・め・・ッ・・・」
とうとう限界だ、という頃、今度は本当に唇が離された。
「――――と、つぜん、・・・ど、したんですか・・?」
弾む息を整えながら沖田さんの方を見上げれば。
「・・・まだわかんねーのか」
「・・・・・・すみません」
はぁ、と沖田さんはため息を一つ。
「・・敬語と、さん付け」
「・・・・・・・あ、」
・・・・・それは、少し前に沖田さんに言われたことで。
「完全に忘れてんだろ」
「・・・すみません、慣れなくて」
そういえば、私はそれを完全に忘れてしまっていた。呼び方は“沖田さん”のままだったし敬語も使っていたし。
もう一度謝ろうと口を開いた私に、沖田さんは首を振って。
「謝んな。別に怒っちゃいねーよ。気に入らなかっただけでィ」
「・・・・・・はい」
まぁ、と沖田さん。
「ちょっとずつでも、呼びやがれ。・・・・俺だってテメーに距離作られんのは嫌なんでな」
「距離?」
「敬語にさん付けじゃ他の隊士と同じじゃねーか。Aと距離があるみてーで気に入らねェ」
・・・そんなことを言う沖田さんに、少し笑みが溢れてしまった。
「・・分かり・・・、・・わかった。・・・・・その、・・・総悟。
私も距離があるのは嫌、だから・・、・・・出来る限り、頑張る」
――――多分今すぐは無理だけれど、数ヵ月後か数年後、あるいはもっと先。
そんな頃、隣にいてくれる沖田さんへ、当たり前のように“総悟”と呼びかけられていたらいいな、と思ったのだった。
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るみ - 夢主のせいかくかんわえぇ (2019年2月12日 14時) (レス) id: 07b463bee0 (このIDを非表示/違反報告)
天藍(サブ) - 443票で10って凄いですね!中村さんの作品、大好きです!これからも頑張ってください! (2018年5月23日 22時) (レス) id: cb3447b729 (このIDを非表示/違反報告)
RIIIIN - 中村さんの作品はどれも好きです(;;)何回も読ませてもらってます! (2016年11月28日 21時) (レス) id: cb398e4876 (このIDを非表示/違反報告)
おきかぐ - あのォ、ホンットサイコー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!です!m9(≧ω≦)ノァハハ最高!!! (2015年4月30日 18時) (レス) id: 7cf0822214 (このIDを非表示/違反報告)
銀悠(プロフ) - どうも!111票目入れさせてもらいました!もちろん一番右です♪ (2014年10月11日 21時) (レス) id: a65478c217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2014年5月10日 18時