検索窓
今日:33 hit、昨日:15 hit、合計:51,575 hit

239 ページ39

.






『なんでしょうか?』



目の前にいる手塚と、彼に隠れるように立つ南に尋ねる
彼女は俯いて、何か話そうとしているがどうも声がうまく出せないようだった



はぁ…
なんか凄く、むず痒いなぁ…



背中に受ける立海の人達の視線
きっと、幸村くんがみんなに話したんだろう




背中、首、痛いほどの視線がする



手「話しは佐藤から聞いた、すまなかった」



シンとした空気の中、深々と手塚が頭を下げる
これは、部長としての対応だろう



『…顔をあげてください
別にいいんですよ?切ったのは私なんですし』

南「っ!?私でしょう!!
私、わたし…!ごめんなさい!
伸ばしてた理由も赤也くんから聞いて
全部Aちゃんのせいにしようとして
それなのにAちゃんは、誰にも言わなかった!』




誰にも言わなかった、ってのは違うんだが。
光には、言っちゃったし…



大粒な程の涙を流して
何度も、何度もごめんを繰り返す南ちゃん




彼女のこの涙は本当だ
きっと胸はすごく痛いんだろうな


それがわかってくれてもう充分だ



赤也が、どう伝えてくれたのかはわからないけど
彼女がこんなにも反省して謝ってくれたのは赤也のおかげなんだろう




『南ちゃん、もう、気にしないでいいから
ここまで切ったのは私だし
それに、あの髪はもう必要なくなるんだ』

南「え…?」


『赤也がどこまで話したかは知らないけど
その、目が見えないって子、手術を受けてね、もうすぐ光りを取り戻すんだ

だから、あんなの無くてもきっと私だってすぐに分かる』




だから、もう、泣かないで?



そうなんだと、呟いた南ちゃんは
許して貰えたと言うことではなく、アリアが視力が戻ると言う事を純粋に喜んで、微笑んだ




やっぱり、この子には笑顔が良く似合う



これでもう、欲にまみれた歪んだ表情はしないだろう





『それじゃあ』




手塚さんにも挨拶をして、心配そうに見つめる立海の元へ私も帰っていく



なんだ、時間をかける必要なんてなかったじゃん



スッキリと晴れる気持ちで、元いた席へと向かった






_

240→←238



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
60人がお気に入り
設定タグ:テニスの王子様 , 立海
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

yue.(プロフ) - なっちゃんさん» なっちゃんさん以外にももしかしたら不完全燃焼にさせてしまってる方はたくさんいるかと思います。今回はもう数年も前のお話を今でも読んでくださる方がいることと、貴重な意見いただけて感謝です(´ω`)ドロドロしたお話も…いつか挑戦してみたいです笑 (2019年5月15日 6時) (レス) id: e7bb6442ef (このIDを非表示/違反報告)
yue.(プロフ) - なっちゃんさん» 遅くなってしまいすみません。復讐の部分はだいぶ悩みましたが、過激にすれば今までの雰囲気が壊れるかなぁと当時悩みました(;_;)個人的にはそう言うお話も好きですが、内容によって指定をいれなくてはならなくなったり好き嫌いもハッキリするのでこの形になりました (2019年5月15日 6時) (レス) id: e7bb6442ef (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - なんか、小説は面白いんですけど南の回でもっともっと復讐?して欲しいです。派手にやり返さない赤也も主人公も腹が立って小説に集中出来ないです。もっと南に絶望を!! (2019年5月11日 4時) (レス) id: 0137e22542 (このIDを非表示/違反報告)
yue.(プロフ) - 煉海さん» 壊滅的な英語苦手ってどのくらいなのか困りますwwガッデム!! (2018年4月7日 1時) (レス) id: 327fda9cd8 (このIDを非表示/違反報告)
煉海 - 自分の英語力恨む赤也くん乙wwwwwww (2018年4月6日 22時) (レス) id: a0ddb5db9e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆえ | 作成日時:2017年1月7日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。