【テニプリ】妹コンプレックス!!

私ちょっと最後の手段で決めちゃう ページ25

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『お待たせ、お兄ちゃん！』

幸「赤也に渡せた？」

『うん、無事にね！』



今日はお兄ちゃんと帰る約束をしている
帰りにケーキを食べる約束をしていたからだ



幸「ふふ、じゃあ行こうか」

『うん！』


お母さんがケーキ屋さんのサービス券もらってきたけど、行く暇がなくて2人で行ってきなさいって

母から子へのバレンタインだ



オレンジ色の夕日はあっという間に沈んであたりはもう藍色
冷たい風が吹いて

頬が冷える…



『お兄ちゃん、今年もいっぱいもらったね〜』

幸「そうかな？多分、去年は入院してたからその反動だと思うけど」



ニコリと笑う兄は、両手にいっぱいの紙袋を持ってて
多分、この様子を非モテ男子が見たら大層僻むんだろうな〜って思えた



『………』

幸「ん、どうしたの？」


ふと、京子の言葉を思い出した



『お、おにーちゃん』

幸「ん？」


振り向いて油断した瞬間に左手に持つ紙袋を奪った



幸「ちょ、A？別に困らないし持たなくていいよ？」

『んっ！』



取り返そうとする兄にずいっと右手に持つ箱を押し付ける


驚いて目を開かせてるけど、なんか小っ恥ずかしいから目をそらす



幸「…ふふっ、ありがとう」

『…どーいたしまして…』



お兄ちゃんに去年もその前も、渡せて無かった
一昨年は私の受験もあったし、去年はさっき言った通り入院してて渡せなかった



『こ、これからもよろしく…』

幸「うん、こちらこそ」



あーもう、今日はほんとに寒いな
おかげでほっぺが赤くなっちゃってるよ！


今更お兄ちゃんに渡すってなんだかすごく恥ずかしくて誰にも言い出せなかったのに

京子にはバレちゃったみたい


テニス部の人にも内緒にしてねって言うとお兄ちゃんはまたふふっと笑った


年に1度のバレンタイン
恋愛なんて私はよくわからないから一番身近な人達に感謝を告げる日にしてる


だから、ありがとー、お兄ちゃん…







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その後、切原家では



「あらあらまあ！こんなに貰ってきたの？」

「赤也ーアンタけっこーやるじゃん？」


母と姉がもらってきたチョコを物色する
そんな横で赤也は今にも溶けろうな程のゆるい顔で、妄想と言うなと夢の中だった



「あら、何かしらこのチョコ」

「ほんと、ラッピングは凄いのに…」


Aからもらったチョコには
ハートに型どられたチョコに“戦友”っとホワイトペンで書かれていたのだった







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