雨のち飴《青》 (ページ8)

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watanabe side

渡「 ..... はぁあ、、」

宮「それ何回目のため息」

俺はやらかしてしまった。あいつから俺を誘うのは半年に一回あるかないか。そんな貴重な誘いを俺は断ってしまった。それも当日に。

宮「ほら、翔太の好きなグミ。」

渡「うわ、美味そう」

宮「さっきコンビニで見つけたから買ってみた」

あげると言い俺にグミの入った袋を差し出すのは、総務課の涼太。まあ、幼馴染。

偶然、面接を受けに来た所ばったり社内で会ったのが就活生の時。もちろん涼太も面接を受けに来た。幼稚園から一緒だけど、高校が離れてから大学も違ったし実質会うのは六年ぶりくらい。涼太は成人式来なかったから。

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宮「電話で謝ったとしても、ドタキャンは酷いね」

女性に失礼だよと傷口に塩を塗るような一言を加えコンビニで買ったであろうクロワッサンを一口サイズにちぎり口に運んだ。

渡「やっぱそうだよな」

俺はカップ麺

宮「直で謝れば？」

渡「無理。」

宮「即答だね」

渡「ただでさえ、朝挨拶した時も変な空気だったし、何て声掛けてあげれば良いか分かんねえよ、」

と俯き、カップ麺の蓋をペりっとめくった

宮「初めて断ったもんね、それもそれで珍しいけど」

渡「親からの飯の誘いは絶対なんだよ」

宮「心配性だもんね、翔太の親御さん」

渡「ホントな。何歳だと思われてんだか。」

ずるずると麺をすすり、無言で一点を見つめる俺。

宮「今日、帰り際とかに謝ってみなよ」

んーとまた振り出しに戻った。

渡「･･･やってみるわ」

宮「報告よろしく」

渡「なんて言おう」

昨日はごめん。とか？と返す涼太

こいつ本当に優しいんだよ。未だになんで彼女が出来ねえのか本当に理解出来ん。

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飯を食い終えて俺らは自分の持ち場へ帰る。

ふと窓ガラスに目を移すと雨が降っていた。

渡「あー、鬱だわ」

その場でんーっと伸びをして、仕事場へ向かった。

岩「お、翔太」

渡「ん、おー、照じゃん」

営業マンな照。外回りから帰ってきたところかな。

渡「こんな雨の中、外回りか」

岩「んー、そんなとこ」

渡「お疲れ様です」

ペコッと一礼。

岩「珍しいじゃん、どうしたの」

渡「どういう事だよ(笑)」

岩「いや、この時間見ないからさ」

渡「あー、涼太と飯食ってた」

岩「あいつ、元気にしてる？」

俺とこいつと涼太は何故か分からんけど仲が良い。
たまに飲みに行く関係。

だからか、たまにこうやって近況を話す。