朔間兄妹は難しい。②【あんスタ】 (ページ19)

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過去と末っ子ページ19

？「今日からここがAちゃんのお家だよ」

？「私たちのことは本当の両親だと思っていいからね」

暗闇が苦手で髪の毛が金髪の私は朔間家に捨てられ、新しいお家へやって来ました。

とっても大きなお家。
執事さんやメイドさんのいる大きなお家。

最初の頃は捨てられたことがショックで受け入れられず、ずっと部屋の隅で小さくなっていた。

義母「Aちゃん。私の事を無理にママと呼ばなくてもいいわ。だけど私はAちゃんのママにさせて？」

この人は体がとても弱く子供の産めない人だった。
だから養子の私を迎えたそうだ。

義母「Aちゃん。絵本を読んであげるわ」

義母「Aちゃん。こっちで一緒にお茶しましょう？」

義母「暗闇が怖いの？私もよ。だから一緒に寝ましょう？」

何かと気にかけてくれるこの人の暖かさに次第に私は心を開きました。

「…まま」

義母「!!…なぁに？Aちゃん」

「まま。まま」

義母「Aちゃん。どうしたの？」

「……よんでみただけ」

それから少しずつ、少しずつ義母との距離が近づいていきました。
義母と2人でよくお茶をするようになったり、絵本を読んでもらったり、ピアノを教えて貰ったり、私は義母のことを慕っていました。

義父「A、蛍…お母さんはな入院することになったんだ」

身体の弱かった義母は入退院を繰り返していました。

それは私が中学生になっても繰り返していました。

義母「Aちゃん。これ、お守りよ。持っていてくれるかしら？」

私に持たせてくれたのは、義母が大切にしていたペンダント。

「これってままが大事にしてたやつじゃ…」

義母「いいの。Aちゃんに持っていて欲しいの。」

出会った時より細くなった身体。
今にも折れてしまいそうな腕。
力なく握られる手。

義母「Aちゃん。私をお母さんにしてくれてありがとう。

ママと呼んでくれてありがとう。

Aは私の自慢の娘よ。」

義母はそう微笑むと静かに目を閉じ、眠ってしまいました。
義母が亡くなると直ぐに兄者とにに者が迎えに来て、そのまま朔間家へと連れ帰られた。