にじゅう ページ20
Aが雑誌へ引っ張りだこになり、顔を合わすことが減った頃。
その日、事務所には怒号が飛び交っていた。
椚「なんの騒ぎでしょうか…」
嵐「あきおみ、こっち」
椚「鳴上くん?どこに行くんですか?」
鳴上くんに手を引かれどこかに連れて行かれた。
椚「会議室?」
嵐「こっち、こっち」
机の下に潜り込んだ鳴上くん。
そこには出会った時と同じ表情で蹲っているAの姿があった。
嵐「あきおみを独り占めするこの子はフユカイ。だけどあきおみの名前呼んでたから連れてきました。」
椚「あ、ありがとうございます」
(どうしたんでしょうか……)
椚「A、大丈夫ですか?」
嵐「あきおみ、この子もう限界だよ」
椚「え、どういうことですか?」
嵐「今社長室でうるさいのは、セナのパパとママとAのパパとママ」
椚「瀬名くんのご両親とAのご両親?」
嵐「はい。今日は朝からずっとコウロンしてる」
椚「なぜそんなことに?」
確かに瀬名くんのご両親はとても気が強い方で、瀬名くんを溺愛している。それに対してAのご両親はあまり良いとは言えない人たち。
嵐「この子のママがセナにケガさせたんです。」
椚「Aの母親が瀬名くんに…?」
嵐「はい。それで、セナのパパとママが怒ってる」
椚「瀬名くんがケガって……」
「、ご、めんな、さ、い」
椚「A?」
「A、、わ、るい、こ、いず、く、ん、けが、」
ポロポロと涙をこぼすA。
椚「Aは悪い子なんかじゃありません!瀬名くんなら大丈夫ですよ!ほら、泣き止んでください!」
嵐「あきおみの言う通り。ダイジョウブ、セナは、しぶといです。」
鳴上くんがAをぎゅっと抱きしめる。私もAの頭を撫でた。
するとしばらくして落ち着いたのか寝息を立て始めた。
椚「寝てしまいましたね」
嵐「あきおみ、この子とイッショにいてあげて」
椚「え?鳴上くんは?」
嵐「これから、シゴトです」
椚「そうでしたか。気を付けてくださいね」
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鮭キュンキュンキュイ - クソ好きです。なんか涙出てきた… (12月27日 13時) (レス) @page41 id: 896b5072a5 (このIDを非表示/違反報告)
かろまる(プロフ) - 面白くて一気読みしてしまいました…!陰ながら応援してます (11月2日 10時) (レス) id: ac4f7ca187 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2023年3月20日 22時) (レス) @page31 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏 | 作成日時:2022年11月20日 0時