瀬名VS無表情【あんスタ】 (ページ15)

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じゅうごページ15

十数年前椚side

ある日、事務所へ行くと大人たちがバタバタと走り回っていた。

嵐「あきおみ、あきおみ」

椚「おや、鳴上くんおはようございます」

嵐「あたらしいひと、ブアイソウ」

椚「新しい人？そういえばこの事務所へ新人が入ってくるみたいなことを言っていましたね」

嵐「きゅうにきえた」

椚「急に消えた？？？」

どうやら入ってきた新人がいなくなったようで大人たちはバタバタと走り回っているようだ。

(邪魔にならないように端っこのテーブルにでも座ってましょうかね)

ゴツン

何かを蹴飛ばしてしまった。

椚「ん？なにか荷物でも置いてあったんでしょうか？」

テーブルの下を覗いてみるとしゃがみこんで蹲っている少女が1人。

椚「お、おばけ？！」

嵐「あきおみ、それ、シンジン」

椚「えっ、あっ！」

慌ててその少女を抱き上げる。

椚「君、大丈夫ですか？」

声をかけるとこちらを見上げたその子はとても整った顔をしていた。

椚「どこか怪我とかしてませんか？」

「……」

黙り込む少女。

椚「急に蹴飛ばしてしまって申し訳ありません」

嵐「あきおみ、こいつなにもはなさない」

椚「ふむ、急に知らない場所へ来たから人見知りでもしているのでしょうか？」

staff「あー！章臣くん見つけてくれたのねー！ありがとう！！」

椚「いえいえ、机の下に隠れていてビックリしましたよ笑」

事務所の大人が駆け寄り、その子を渡そうとすると私の服を握りしめて離れなくなってしまった。

staff「Aちゃん？こっちでお話したいから一緒に行こ？」

大人たちが引き剥がそうとするも全くもって離れない。

staff「しょうがない…章臣くんも一緒に来てくれる？」

椚「はぁ……仕方ないですね」

そのまま少女を連れて社長室へ向かう。

ーーーーーーー

社長「あ、やっと見つかったんだ！」

社長室へはいると社長が一目散に駆け寄ってきた。

社長「いや〜よかったよかった」

椚「あの、彼女は一体……」

社長「あぁ、ごめんね。今日からうちでモデルをやる中村Aちゃんだよ」

椚「そうだったんですね。私は椚章臣です。よろしくお願いしますね」

依然黙り込んでいる少女。
この子にモデルは務まるのだろうかと心配になってきた。

社長「今日の撮影なんだけど、椚くん一緒に連れてって見学させてくれないかな？？」