【stgr】潮鳴りのする雲を抜けて３【青井らだお】【完】

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　ネルさんはAさんのこと、どう思う？


「……Aちゃんとナツメくんはね、警察にとって一番大変な時期を過ごした二人だと思うんだ。上官が全然いなくて、ボクだって出勤できる日数は少なくて。その中でも二人で励ましあってた姿が、ボクは本当に嬉しかったんだよ。警察になってくれて本当に嬉しかった。あの時のボクが今の警察を見たら、きっと泣くだろうね」


　あの人は、もうじゅうぶん頑張ったと思う？


「十分だよ。じゅうぶんすぎるくらいさ。本当に──本当に。ボクは全部、あの子たちに頼りきりだった。それが……、それがナツメを追い詰めたのかと思うと、やりきれない。

　今の警察があるのは君のおかげだって、今すぐ教えてやりたいよ」



　キャップはAさんのこと、どう思う？


「Aくんか。心配だとも。家ロケランでぶっ壊したら出てくるか？ ……ああ、大事な話？ シリアス？ すまん、ちょっとなに言ってるかわからない。……Aくんはな、俺のこと、めちゃくちゃ褒めてくれるんだ。何してもキャップすごい、キャップカッコいいって。そりゃたまに怒られる時はあったけど」


　彼女を褒めるとしたら、どうすればいい？


「なんだっていいよ。なんだって褒められる。まず人を軽率にバットで殴らない時点で、つぼ浦よりえらい。百点だ。……これはなんか、違うか。

　点数なんてどうだっていい。Aくんはずっとえらくて、ずっとすごい」



　つぼ浦はAさんのこと、どう思う？


「心配なんかしてませんよ。なんでそんなこと聞くんすか。なにがそんなに不安なんすか？ 誰にだって一人になりたい時はあるでしょ。まあ俺は別にありませんけど。それが三日だって一ヶ月だって一年だって、スッキリしたらちゃんと戻ってくるでしょ」


　どうしてそんなに信じられる？


「仲間でしょ。

　仲間を信じない理由が、どこにあるっていうんですか」


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