笑えない日々その142 ページ5
未来のASide
未貴「…ん」
目が覚めると、そこは綺麗な花畑。
眩しい太陽と、青い空。
死後の世界にしては、綺麗だと思う。
立ち上がって、上の方へ歩いて行く。
すると、そこに見慣れた人影が見える。
未貴「…!!」
私がずっと、会いたかった人だ。
光る金髪とピアス、私よりも高い背。
その笑顔はどんなものよりも愛しくて、
なぜだか、言葉が見つからない。
未スティ「…おかえり、A。」
まるで私の居場所は、
最初からここだと言うように。
手を広げて、"おかえり"と言う彼。
同時に涙が込上げて来て、
私は彼の元へ飛び付いた。
未スティ「うお…っと、どうしたんだよ?」
私を抱き締め返して、ふっと笑うキミ。
未貴「どうした…じゃないでしょ!!
ばか!!ばか!!!もう!!
本当にばか!!!!」
胸板を何度も叩いて、叫ぶ。
未スティ「いて…ッごめんって」
私の頭を撫でて、笑う。
その姿は、スティングだ。
ずっと、ずっと私が求めてた人。
未貴「ずっと…!どれだけ会いたかったか…!!
ずっと!!ずっと会いたくて…ッ!!
…ッ!ばか!!ば…ッ!!」
急に顎を持ち上げられて、キスされる。
角度を変えて、何度も、何度も。
未スティ「…俺も、会いたかった。ずっと。
…好きだ、A」
さっきまで、暴言を吐いてばかりいたのに。
その言葉1つで、
結局私は機嫌を良くしてしまう。
未貴「好き。大好き。私も好き…。」
ずっと、伝えたかった。
ずっと、ずっと言いたかった。
未スティ「…おう、知ってる」
今、私の目の前ではにかむ彼こそ。
私がずっと愛した彼だ。
未貴「もう、何処にも行かないで」
未スティ「行かないよ。約束する。
これからは、ずっと一緒だ。」
剣咬の虎の紋章の刻まれた、左手を掴んで。
未スティ「さ、行こうぜ。
みんなが、待ってるからさ。」
少し向こうに、みんなの姿が見える。
ずっと、会いたかった人達の影が。
未貴「私…、皆の前で上手く謝れるかな」
未スティ「大丈夫。俺が付いてるから。
お前を1人にしたりしないよ。」
その言葉に微笑んで、私達は歩き出す。
愛する人の元で、やっと。
私は心の底からの幸せを手に入れた。
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り - 更新待ってまーす (2020年3月27日 1時) (レス) id: 231210f260 (このIDを非表示/違反報告)
はばたん - やっぱり最高です!面白い!…ねぇ、私を愛して?… (2019年8月5日 17時) (レス) id: 4dff12f28e (このIDを非表示/違反報告)
白銀水龍(プロフ) - あれから一年が経ちました!更新復活できる日を楽しみしています!頑張ってください! (2019年4月23日 7時) (レス) id: e63f949200 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りこ | 作成日時:2018年8月22日 23時