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朝
「腰痛ない??」
「うん、大丈夫だよ。」
「ほんならよかったわ。朝ごはん食べて仕事行ってくるわ。」
そう言って私の髪に指を通して頬に唇を落とした。
「んっ…私、朝ごはん作るよ」
「ええよ。Aの綺麗な指が傷ついたら大変やろ?」
ふふっと笑って私の指に短いキスをする。
「私、そんなに不器用じゃないよ」
私がくすっと笑うと
「それでもけがする可能性はあるやろ?Aはなんもせんでええねん。ただ、僕のそばにおってくれればええねん。」
ぎゅっと抱きしめてくれる。
肌と肌がくっついてすごくあったかい。
「Aはなんもせんでええよ。掃除も料理も洗濯も。身の回りのことは全部僕がするから。」
ありえないほどの過保護っぷり。
彼と名字を重ねてからは料理も洗濯もなにもしていない。
させてもらえない。
彼は私に傷がつくことを極端に嫌がった。
最初はその過保護っぷりが気味悪くて仕方なかったけど長年続いていけば愛着に変わっていった。
それが心地よいものになっていった。
「ほな行ってくるわ。ゆっくりしとってな。」
「うん、いってらっしゃい。がんばってね」
「おん」
がチャリと扉がしまった。
私はまたアンティークの家具とフランス人形に囲まれて長い一日を過ごさなければならない。
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さとまや(プロフ) - とても面白く拝見させていただきました。 (2017年7月29日 20時) (レス) id: 211e5d0f6e (このIDを非表示/違反報告)
やっくん - 最後まで読ませて貰いました!途中、思わず「ヒッ」とか、声をあげてしまうほど引き込まれました。 (2015年10月5日 0時) (レス) id: 2f056c0333 (このIDを非表示/違反報告)
カチン(プロフ) - 読ませてもらいました!文章力凄いですね、読んでるだけでなのにぞくっとしました。 (2015年4月29日 14時) (レス) id: fa59a6b957 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - ちぃたさん» ブラック安田楽しんでいただけたのなら嬉しいです!!お読みいただきありがとうございました(o´罒`o) (2015年4月12日 14時) (レス) id: d977e1fe83 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃた(プロフ) - めちゃくちゃ引き込まれました……。最後はうわぁって言ってしまいました……!(笑)新鮮味があって楽しかったです!黒すぎる安田も愛せてしまう……!お疲れ様でした!( ゚∀゚ ) (2015年4月12日 7時) (レス) id: c9a7566b03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこ | 作成日時:2015年3月8日 7時