好きになるなんてあり得ません【ジャーファル】 (ページ12)

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ジャ「さぁ、着きましたよ」

そう言って連れてこられたのは
私ではない、誰かの部屋。

「……ここ、誰の部屋ですか」

ジャ「私の部屋ですが？」

「……ジャーファルさんの部屋でする必要あります？」

ジャ「ありますよ」

周りに人がいたら邪魔でしょう？

と、怪しい笑みで問いかけられる。

ジャ「何か問題でも？」

「………、」

問題ありまくりですよ。

と言ってしまえばいいのだが、

先ほどの光景がまだ頭から離れないでいる。

おまけに、何を話していたのか知りたい自分もいてしまう。

こんなの私らしくないのに。

ジャ「とりあえずは、仕事を手伝ってもらいましょうか」

「………はい」

とりあえずは、ジャーファルさんの仕事を手伝うことにした________________________

ジャ「Aさん」

「……………はい」

ジャ「好きですよ」

「…………」

さっきからずっとこの調子だ。

私の名前を呼んでは好きですよ、の繰り返し。

そんなに好き好き言っても好きにはならないのに…………

『はいっ、当たり前ですっ』クスッ

ふいに、思い出してしまった先ほどの光景。

ジャーファルさん、あの人のこと…好き、なのかな………

だったら私への好きは、あの人に言っちゃえばいいのに…
ていうか、私への好きも嘘だったんだよ……

ジャーファルさんって…そういう人だったのかな……

いろんな感情が頭の中で蠢く。

おかげで、頭の中の整理がついていない。

ジャ「Aさん、好きですってば」

「…………っ」

そんな……、

あの人に向けてた笑顔で

好きって言わないでよ_________________

バンッ

ジャ「っ！……A、さん…？」

どうしたんですかっ、

と、オロオロといきなり机を叩いた私に慌てて問いかける。

「……もうっ、いい加減にしてください……！」

ジャ「………えっ？」

「いつまで私に好きって言うんですか…！」

ジャ「………Aさん…？」

だんだんと何かが込み上げてくるのが分かる。

「………あの人にでも言ってくればいいんですよっ…！」

ジャ「えっ？あの人とは…」

ガタッ

「………失礼しますっ、」

バタンッ