doll＊470 ページ30
青｢お父様っ…！｣
《…その声は…リュウセイか…？》
青｢っ、はいっ…！｣
お父様の声に名前を呼ばれて…ベッドの前で立ち止まり、自然と背筋を伸ばす。
…すると、ベッドの天蓋に付けられたゴブラン織りのカーテンがｼｬｯと音を立てて開き、咄嗟に見上げると…
そこにいらっしゃったのは、俺の知るあの方ではなく…
痩せ細り、鼻にチューブをつけ…青白い顔をした老君。
俺はそんなお父様のお姿を見て、驚きが隠せへんかった。
青｢…え、、｣
《…驚かせてすまない、リュウセイ。
…実は肺を患っていてな…もう長くはないのだ。》
青｢ｯ…！……お、お父様っ…それって…｣
《私は…もうすぐ死ぬ。》
青｢…ｯ｣
…やっと…やっとお会いできたお父様が、余命幾許もない身体なんて。
もう…少ししか一緒にいる事は出来ないなんて。
…信じられへんし、何より俺自身が信じたくなくて…唇を噛み締めて顔を伏せると、ﾎﾟﾝｯと頭に温かい何かが触れた。
青｢えっ…？｣
俺が驚いて顔を上げようとすれば、その温かい何かはゆっくりと優しく俺の頭を撫でて…
ようやく、それがお父様の手やって事に気付いた。
《悲しまなくていい。…死ぬ事のないお前達を作ったこの私は、人形ではなく人間だ。
人間は…いつか死ぬものだろう？
…リュウセイ、私は笑顔のお前と話がしたい。
今日というこの日を…この瞬間を……どれだけ待ちわび、楽しみにしていたことか…》
青｢っ…はいっ…｣
…そうや、やっとお父様にお会い出来たのに…暗い顔してどうする。
お父様の余命があと僅かなら、尚更俺は笑顔でいるべきや。
…お父様の為にも、自分の為にも…俺の中の兄弟たちの為にも。
青｢お父様、長い旅の話を聞いてくださいますか…？｣
《ふふ、いいだろう。…楽しみだな。》
俺は、お父様に笑顔になって頂き…俺自身も笑顔になるために、昔話をする事にした。
…もう、残された時間が多くない事は分かってる、、だから、その全ての時間をお父様と笑って過ごしたいから。
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みゅー - とても面白かったです！引き込まれました！！素敵な作品ありがとうございます(*´ω｀*) (2020年4月2日 0時) (
レス) id: dcdf60e661 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - てぃてぃさん» コメントありがとうございます！作者自身若干の不完全燃焼に加え短編集を読みたいという方もいらっしゃいましたので、いつか庭師の双子の活躍も実現できたらいいなぁと思っております(^^)なお、予定については未定ですので、作成出来ない場合もありますm(_ _)m (2019年10月10日 20時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
てぃてぃ - 続編と言うかわからないのですがダイキとトモヒロの二人揃ったときの「夢の庭師」の活躍を見たいです！ (2019年10月5日 1時) (レス) id: 918ca3f2a8 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - Nagihimeさん» コメントありがとうございます。お返事遅くなりすみません！そう言って頂けると、とても励みになります！現在連載中の【小さなセカイの中で。】シリーズも宜しくお願い致します(^^) (2019年10月1日 19時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
Nagihime - 凄くおもしろかったです!!!!私は室担の黄色ジャス民なので、ジュンタとリュウタが出てきて嬉しかったです!!これからも応援してます!!!! (2019年9月26日 17時) (レス) id: b07ee6c15c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2019年5月28日 9時
