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それから1週間もすると、私は医者から外出許可をもらえるようになった。
あまり激しい運動をしなかったり、遠出もしないならばいいとのこと。
それを真っ先にマイキーに報告すると、彼も嬉しそうで一緒に遊びに行こうと言われた。
私達が友達になったあの場所でマイキーは待っていた。あの時みたいに缶ジュースを飲んでいるけど、その顔は優しい笑みをうかべている。
私が歩きたいと言ったのもあって、バイクは持ってきていなかった。
「じゃ、行こっか」
マイキーの言葉に頷いて、私も彼の隣に並んで歩き出す。こうやって一緒に歩くのも、何故かすごく久しぶりな気がする。
そもそも外に出るのも久しぶりなので、穏やかな外の空気も新鮮に感じた。
前々から思っていたことだけど、こうやって並んで歩く時、マイキーは私に内側を歩かせたり、自転車や通行人が来たら私を寄せてくれたりと、何かと親切なのである。私が病人だから気を遣ってくれてるのかな。
人混みも避けようと言ってくれたけど、私は普段と変わらないお出かけ気分でよかったから、別に人混みでも構わないと言っておいた。東京なんだから、どこにいても人だらけだしね。
隣で歩いていると、時々マイキーと手があたる。
するといきなり、マイキーは私の手に手を絡めてきた。
「な、何してんの‼︎」
「人多いから、迷子にならねえように繋いでおかないとな」
慌ててマイキーの方を見やると、悪戯が成功した子供みたいな顔で笑っていた。
なんだ、びっくりした。マイキーなりの心配ね。
「気遣いありがとう、マイキー」
「……」
マイキーの優しさが嬉しくて私も笑い返すと、彼は何故か目を伏せて黙り込む。そしてそのまま私の手を引っ張って足早に進んでいった。
もし本当に、マイキーが私のことを好きなのだとしても。私がマイキーを好きでも、私はそれを表には出さない。私達はあくまで友達。それ以上にはなってはいけないと、自分で線引きをする。絶望的な未来へと悲嘆と諦め。彼と一緒にいる間は友達としてマイキーのことを見るし、期待もしないだろう。
そうするのを意識して、いつの間にか私は心を無意識に殺していたのかもしれない。
マイキーと街をぶらついて、最終的にたどり着いたのはとある神社だった。
長い階段をマイキーに手を借りながら何とか登って、一番上の段に座る。
そこから見下ろす東京の街の景色は、想像以上に綺麗だった。
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ぱーぷる姫(プロフ) - 純粋に狂った愛でした。ボロボロ泣きました。本当にありがとうございました。 (2023年1月27日 7時) (
レス) id: be661beda4 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - めっちゃ良かった！涙が止まらなくて久々に号泣しちゃいました。素敵な作品を読めて嬉しかったです☆ (2022年3月8日 14時) (レス) @page49 id: e10675e39d (このIDを非表示/違反報告)
梅累(プロフ) - りゃんさん» ありがとうございます……！嬉しいです。読んで頂き感謝です！！ (2021年11月7日 20時) (レス) id: 62e7d56914 (このIDを非表示/違反報告)
りゃん(プロフ) - 素敵です…… (2021年11月7日 18時) (レス) @page50 id: 9dca799aaf (このIDを非表示/違反報告)
梅累(プロフ) - ミイさん» コメントありがとうございます。この作品が誰かの心に届いたと思うととても光栄です。まだまだ至らぬ部分もありますが、これからも応援よろしくお願いします。 (2021年9月2日 17時) (レス) id: 62e7d56914 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梅累 | 作成日時：2021年8月31日 12時
