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「初歩的な事から聞くがこの武器の名前は分かるか?」
「見た事も聞いた事も御座いません…」
「まぁそうだろうな」
氷柱男は私の返答が予想通りだったのか特に気にした様子は無く、私が持っていた武器をまじまじと見つめていた。
「これは銃と言ってな。この引き金を引くと」
氷柱男が引き金とやらを引くとバンっと物凄い音がしたので反射的に耳を塞ぐとははっと隣から笑い声が漏れた。
「大きい音出るなら予め言っておいてよ…」
「どんな反応するかと思ったが予想通りの反応でなかなか笑えたぞ」
「性格悪いな…」
「まあそんな事よりあの人形を見てみろ。心臓の辺りに穴が空いてるだろ?」
「えっほんとだ!?もしかしてそれ滅茶苦茶強いのでは??」
「まぁ使いこなせたら強いだろうな」
氷柱男は私に武器を返すと次はお前が撃ってみろと言われたのであいつの持ち方を思い出しながら構えてみると突然私の後ろから手が伸びてきた。
「持ち方が違う。ここはこうして握って…」
「こ、こう?」
「合ってる。で、ここをこう引くんだ」
「うん」
氷柱男の指示通りに引き金を引くとパンっと乾いた音を立て人形の腹部辺りに当たった。
「当たった…!」
「初めてにしては上出来じゃないか?」
「氷柱男は銃にも心得があったんだ!」
先程まで微妙に上がっていた口角が一気に下がり不機嫌ですと言わんばかりに私を見下ろしてきた。
余りに激しい態度の変え方に何か地雷でも踏んでしまったのだろうかと少し慌てているとデコピンを食らわされた。
「俺の名前はアダムだ。氷柱男なんて呼び方するな」
「……名前ぐらい知ってる。でも何で名前を呼ぶ必要が?」
「何で??……はぁ」
「何そのため息!?」
突然深い溜息をついたかと思うと次は何かを思い出したのか勢いよく私の方へ顔を向けた。
表情がよく変わる男だななんて思いながら私も氷柱男に視線を合わせた。
「昨日、13殿と何を話してたんだ?」
「13…?誰それ?」
「惚け…ている訳ではなさそうだな。あの黒いマスクをつけた男だ」
「あの人13って言うんだ。あの人とは特に何も話してないな…強いて言うならお前と仲良いか聞かれたぐらい」
「……そうか」
話は終わりなのか私に背を向け歩き始めたので私は急いで氷柱男の服の裾を摘んだ。
余程驚いたのか目を丸くさせた男の顔が視界に入り少し笑いそうになったが必死に堪えた。
「明日もお願いしていい?」
「…明日は寝坊するなよ」
「勿論」
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ブリ(プロフ) - 葉流@マルコス愛さん» ありがとうございます!アダムいいですよね…!しかもシーズン来ますしお互い頑張りましょうね!! (2019年1月27日 15時) (レス) id: 15ed17f676 (このIDを非表示/違反報告)
葉流@マルコス愛(プロフ) - はぅ……だむぅ……よき( (2019年1月23日 20時) (レス) id: e55367f9ec (このIDを非表示/違反報告)
ブリ(プロフ) - 扇ちゃんさん» 温かいお言葉ありがとうございます!今作も見て頂けてとても嬉しいです...!扇ちゃんさんのご期待に添えるような小説が書けるかは分かりませんが精一杯頑張らさせて頂きますので見て頂けると幸いです! (2019年1月16日 15時) (レス) id: 15ed17f676 (このIDを非表示/違反報告)
扇ちゃん - ブリさんの新作楽しみに待ってました…!またアダム落ちで、しかも今回は色んなコンパスキャラが出てきて嬉しいですヾ(●´∇`●)ノ更新無理せず頑張って下さい!!!応援してます(`・ω・´)ゞ (2019年1月16日 14時) (レス) id: f2fb5d5d4d (このIDを非表示/違反報告)
ブリ(プロフ) - ソーンきゅんさん» コメントありがとうございます…!更新頑張らさせて頂きますので読み続けて頂けると幸いです! (2019年1月10日 14時) (レス) id: 15ed17f676 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ブリ | 作成日時:2019年1月4日 17時