4 ページ4
黒いマスクの男は突然ニヤニヤしながら私の顔をジロジロと見た。
不躾にも程がある。
流石に居た堪れなくなってきた私は声を掛けようとしたが先に向こうが口を開いたので私は口を閉じざるおえなかった。
｢ボクちゃんAちゃんみたいなピュアな子嫌いじゃないぜ｣
｢だからっ！そういう揶揄うような事を言わないで下さ…｣
｢冗談に聞こえるならそれで結構〜明日早ェんだろ？はよ寝ろ｣
｢…おやすみなさい｣
黒いマスクの男もおやすみ〜と間の抜けた返事をするとフラフラとどこかへ去っていった。
まるで嵐みたいな男だったなと心の中で一つ溜息をつき、ドアを蹴破られては堪らないので明日に備えて寝る準備を始めた。
｢おい、起きろ｣
｢あともうちょい寝かせて…｣
｢貴様…部屋に鍵もかけずに寝てる上に寝坊とはそれでも戦場に立っていた者のする事か？｣
｢ん…？なっなんでいるの！？怖！｣
聞き覚えのない人の声で目を覚ますとベットの近くで鬼の形相で立っている男が視界に入り飛び跳ねるようにベッドから降りた。
｢あ…そういや稽古してくれるんだっけ…？｣
｢約束の時間からもう10分は過ぎてるけどな｣
｢えっ！？ごめんなさい！ところでドアは無事！？｣
｢……ドアを蹴破る前に試しにドアノブを捻ったら空いたから無事だ。それより部屋に鍵もかけずに寝れる貴様の図太い精神には恐れ戦くな｣
皮肉混じりに言われた事実に何も言い返せずに居ると氷柱男は溜息をつくと踵を返し廊下に向けて歩き出した。
｢廊下で待っててやるから5分以内で支度しろ｣
氷柱男は着替えを考慮してくれたのか部屋の扉までご丁寧に閉めて部屋から出ていった。
変な所で紳士だなと思いつつ猛ダッシュで着替えを済ませ部屋から出ると少し驚いた顔をした氷柱男がいた。
｢5分以内とは言ったが真逆本当に5分以内とは…｣
｢なんで言った本人がそんなに驚いてるの…｣
｢女性は身支度に時間が掛かると昔どこかで聞いたからな。だから10分ぐらいは待つつもりでいたんだが｣
氷柱男が顎に手を置き考え込むようにブツブツと呟いていたが真逆この男に女性扱いされてるとは思いもよらず正直かなり驚いている。
｢私の事女性扱いするんだ？｣
｢ん？気に触ったならすまない。いや、戦場では男も女も関係ないがこういう場所では一応考慮すべきかと思ってな｣
｢…色々ありがとうございます｣
妙に心がゾワゾワしつつも純粋に感謝の意を述べると微妙な表情を浮かべられた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 120人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ブリ(プロフ) - 葉流@マルコス愛さん» ありがとうございます！アダムいいですよね…！しかもシーズン来ますしお互い頑張りましょうね！！ (2019年1月27日 15時) (
レス) id: 15ed17f676 (このIDを非表示/違反報告)
葉流@マルコス愛(プロフ) - はぅ……だむぅ……よき( (2019年1月23日 20時) (レス) id: e55367f9ec (このIDを非表示/違反報告)
ブリ(プロフ) - 扇ちゃんさん» 温かいお言葉ありがとうございます！今作も見て頂けてとても嬉しいです...！扇ちゃんさんのご期待に添えるような小説が書けるかは分かりませんが精一杯頑張らさせて頂きますので見て頂けると幸いです！ (2019年1月16日 15時) (レス) id: 15ed17f676 (このIDを非表示/違反報告)
扇ちゃん - ブリさんの新作楽しみに待ってました…！またアダム落ちで、しかも今回は色んなコンパスキャラが出てきて嬉しいですヾ(●´∇｀●)ﾉ更新無理せず頑張って下さい！！！応援してます(｀･ω･´)ゞ (2019年1月16日 14時) (レス) id: f2fb5d5d4d (このIDを非表示/違反報告)
ブリ(プロフ) - ソーンきゅんさん» コメントありがとうございます…！更新頑張らさせて頂きますので読み続けて頂けると幸いです！ (2019年1月10日 14時) (レス) id: 15ed17f676 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ブリ | 作成日時：2019年1月4日 17時
