【HQ!!】元稲荷崎の護り神 (ページ3)

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一ノ瀬が日本に来る2日前―
【速報】
一ノ瀬優 Vリーグチームシュヴァイデンアドラーズに加入

スポーツ新聞一面には一ノ瀬の写真。

侑「はぁあ！？何でうちやないねん！！」

兎「あ、いっちー帰ってくんだよな！」

日「え、一ノ瀬さん影山のところですか！？」

侑「ほんま意味わからへん！電話したろ！」

治「時差考えたり」

侑「出ない...」

兎「決まっちゃってなら仕方ねーじゃん」

おにぎり宮では日向、侑、木兎の3人がご飯を食べている。
今日はもう店を閉めているため幸いにも客は居ない。

侑「こっち来る言うてたから同じやと思ったんやって」

侑はべそべそとカウンターに顔をうつぶせている。

侑「今からでも遅ないからうちと契約してくれへんかな...」

日「侑さんって一ノ瀬さんの事大好きっすよね！」

兎「俺もいっちー大好きだぜ！」

侑「あの人よりうまいリベロ探すのムズイって。俺の中の1番はずっと優くんやねん」

侑は少し拗ねた表情でおにぎりを食べている。
すると侑のスマホ画面がぱっと光る。

侑「優くんや！！」

治「あっち夜中やろ？え、起きてたん？」

侑「もしもし！優くん？」

『もしもし...』

侑「あ、むっちゃ寝起きや」

『侑？どないしてん』

兎「いっちー！何でシュヴァイデンアドラーズと契約してんだよ！」

日「ブラックジャッカルじゃなくて侑さん凹んでますよ！」

侑「何でお前らが言うねん！」

『誰が居るん？ぼっくんと...日向？』

治「俺もおんで」

『治や～』

寝起きのせいかいつもよりのほほんとした声の一ノ瀬。
すると電話口の向こうで複数の男性の声がする。

侑「え、優くんも誰かとおるん？」

『今日送別会やってん』

治「酒飲んだ？」

『ちょ～っとだけや』

男「parete,chi c'è al telefono?(へい、誰かと電話？)」

『uno è minore(後輩)』

男「Hai dell'acqua?(水いる？)」

『Volere,beve ancora?(欲しい。まだ飲む？)』

男「SÌ(うん)」

『mi sveglio(起きるわ)』

侑、治、日向、木兎はイタリア語で会話する一ノ瀬にぽかんとする。

『侑。また2日後な』

侑「～ッ！覚えててや！優くん！！」

『はっはは。わかった、わかった。ほなぼっくんと日向と治もまたな』

兎「メシ行こうな！！」

日「はい！！また日本で！！」

治「当日迎えに行くから」

『んッ』