【HQ!!】稲荷崎の護り神② (ページ34)

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24-23 稲荷崎がリード。
3セット目も終盤を迎えている。

そしてサーブは影山。
治は影山のサーブをレシーブするもボールはコートの外へ向かって飛んでいく。

『侑！どけぇ！！』

一ノ瀬は走ってボールに追いつくも繋ぐことは出来ず。

日「すげぇ...あれに追いつくんだ...」

澤「ナイス影山！(ここにきてこんな動き出来んのかよ...)」

田「(リベロって今後ろにいたよな？)」

一ノ瀬はふーっと息を吐き烏野のベンチ前から稲荷崎の方へ歩いていく。

『同点か...おい！』

一ノ瀬の声に選手たち反応する。

『俺が絶対繋ぐ。せやから最後まで楽しんでこーや！』

ひひっと笑いながら言う彼の姿に双子や周りの選手もにぃっと笑顔になる。
そして観客席からはパラパラと拍手も聞こえる。

男1「彼は？」

男2「稲荷崎高校の一ノ瀬優選手です」

男1「素晴らしいね。彼のような選手は」

そしてついにデュースに突入する。
26-26、27-27
互いにどんどん手数を重ねていく。

『ええな！最高や！！』

烏野は日向を使った速攻を繰り出すも一ノ瀬が立ちふさがる。

影「くッ！」

『侑！！』

再び烏野にチャンスが訪れ東峰がスパイクを打ちボールは治の腕に当たり大きく飛んでいく。

治「しまッ...」

『俺が！！取る！！！』

一ノ瀬はカメラに突っこみながらボールを繋ぐ。

≪またもや止めたー！！一ノ瀬優！もはや限界を知らない！≫

30-31 烏野がリード。
一ノ瀬は汗を拭いふーっと息を吐く。

「一ノ瀬先生でも負けちゃうんじゃない？」
夏の時はほんまこいつら強いん？って思った。
牛若に勝った？
んなあほな。って思うた。
でもわかったで。烏野ええチームになっとるやん。

『うん。おもろい』

あと1点。
烏野はボールを繋ぎ、田中がスパイクを打つ。

大「通さへんぞ！！」

大耳のブロックで止めるも烏野は執念で返す。

侑「前！前！！」

一ノ瀬は前に入りレシーブをする。
稲荷崎は双子速攻をするも影山、日向に止められボールは後ろへ。
銀島も必死に手を伸ばすも追いつけない。
誰もが烏野の勝利と思った瞬間。

『まだや！！！』

一ノ瀬が滑り込みボールを高く上げる。
その勢いで体は転がっていくもすぐに上体を起こそうとする。

最後は影山と侑の押し込み――

静かにボールがコートに落ちていく。

32-30 長い長い闘いに幕を閉じる。