【文豪ストレイドッグス】私は待っていた

第三十七話 ページ40

　
ーー１分後。

う〜ん…１分も経ってないかも。


与「大体こんなもんかい？」

宮「もういないみたいですね〜」

鏡「…此方も終わった」


いやいやいや、早すぎでしょう。


貴「…皆強いんだね」

江「まあね！」


私は首を傾げて、隣にいる江戸川さんを見上げた。

なんで江戸川さんがドヤ顔なんだろう？

…まぁ可愛いしいっか。←



……さて、


どうしよっか？



貴「…」

敦「…君はー」

貴「私をどうしますか？」

敦「ーえ？」


中島さんが驚いて目を見開いたのがわかった。

反応が面白い。


貴「私を、処分しますか？」


うつむいていたのも、

体が震えていたのも無意識だった。


敦「そんなこと！」

貴「まぁこんな得体の知れない異能、処分した方が手っ取り早いですしね」


困惑する中島さんとは別に、中原さんが顔をしかめた。


貴「だが、得体は知れないが利用価値はある
それに殺すのは少し気が引ける…」

中「っ！？てめぇまさか」

貴「……はい、それであってますよ」


私の異能力。

ちゃんと説明します。


貴「私の異能力は『アリスの夢』

相手の思考・記憶を読み取り記録する能力です
人は勿論、犬や猫も例外ではありません」


…でも。


貴「私は使いこなせていないのです」

太「…それはどういうことだい？」

貴「…」


言った方がいいよね、うん。

全部隠さず言おう。



貴「読むことに特化し過ぎたせいで、制御できていないのです
つまり、今の私の頭の中には他人の思考・記憶が四六時中流れている状態にあります」


息をのんだ、皆そんな感じ。

想像できるかな？

…きっと難しいよね。

普通は他人の思考なんて読めないから。


貴「あと自分の思考・記憶を意図的に相手に伝えることもできます
読み取った情報を書き換えて、それを相手に流すこともできます

…まぁ、できることはこれくらいでしょうか」

中「…ん？だったら白はどうなんだよ？」


中原さんが首を傾げて言った。

さすがポートマフィア幹部様。


貴「う〜ん…これはちょっと面倒というか…

あ、そうだ
例えばこうです」


私は近くにあった人形に歩み寄った。

しゃがみこんでちょっとした演技をする。


貴「ーー！皆さん大変です！
この人形まだ動きます！！」

国「なに！？」

貴「はいっそれです」

国「…はあ？」


国木田さん顔が間抜け面笑。


貴「つ・ま・り♪」


私は人形から離れて元の場所に立った。


貴「思い込みや暗示と同じなんです」

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