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第二十話 ページ22

 
走りながら思考を巡らせる。


嵌められている?

掌で踊らされてんのか?

…もし、そうだとしたら。


このまま進むのは危険だ。


そう思い至っても、足は止まらずに進む。

薄暗い廊下を走り続ける。
















兎が、動きを止めた。

着いたのか?


敦「ーーー!」


人虎が息を飲んだのがわかった。

俺もそれを見た瞬間、ここまでするか?と若干引いた。


兎は一階の廊下の、一番突き当たりの部屋の前に立っていた。

悲しそうに兎は見上げている。


その部屋の扉は大きく、黒く、重々しい。

勿論、引いた点はそこではない。


扉の取手の部分に、鎖が何重にも巻かれていた。

鍵いくつ要るんだ、これ…。

ざっと二十は必要だろ。


敦「なんですか…これは…」

太「…この匂い…ここの部屋からか」


扉の隙間から、かなり濃度の高い異能力規制剤の香りがした。


兎は俺達を振り返った。

じっと、何かを訴えかけるみたいに。


そしてノートにペンを走らせる。





ーーーAは ここだよーーー




短い文…だが、しっかり書いてある。

まるでAの存在を、必死に主張してるみたいだ。


兎は俯いた。

迷っているように見える。


そして、決心したようにまた、ペンを走らせた。









ーーーAを たすけだして


じゆうにして そとにだして


じぶんでは むりだから


ほんとうのいみで Aを たすけられない


だから おねがいーーー









後ろは見なかった。

だが直感した。


全員が同時に深く、頷いたことを。



中「…なぁ、兎」


兎は首を傾げた。

まだ何か聞きたいことでもあるの?

そう聞いている。


中「てめぇは名前あんのか?」


兎は一瞬硬直して、ささっとノートに書いた。

また嬉しそうにしてる。








ーーーなまえは しろ


Aにもらった たいせつな なまえーーー






聞いてくれてありがとう。

丁寧に綴られた文字。


兎…しろはペコッと頭を下げた。


太「それじゃあ、囚われのお姫様を救おうか
ここまで連れてきてくれて有り難う、しろ」

中「あぁ、サンキュウな」


しろは首を左右に振ると、俺達に道を開けた。

どうぞ、と扉を指す。


やっと会える。


俺は今までに感じたことのない、気分の高揚を味わった。

目を瞑りしばらくそれに浸った後。


俺は扉と対峙した。




中「ーー今行くぞ、A」


 
 

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ニコな(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます!合ってますよ!おめでとうございますo(^-^o)(o^-^)o気づいてくださってありがとうございました(*^^*) (2016年11月5日 21時) (レス) id: 15e640116f (このIDを非表示/違反報告)
ニコな(プロフ) - 藍さん» 落ちはまだ決めていません。けど、変なフラグ立っちゃってますね(笑)後々アンケートするかもなのでよろしくお願いします(*´ω`*) (2016年11月5日 21時) (レス) id: 15e640116f (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - 読ませていただきました!!曲ってノ〇ガミの午〇の待ち合わせですかね?合っていなかったらすいません (2016年11月1日 22時) (レス) id: fb3b88237c (このIDを非表示/違反報告)
- これってー中也さん落ちせですかー?ミー的には中也さん落ちが良いんですけどーまぁ読めばわかりますよねー続き読んできますー (2016年10月30日 15時) (レス) id: b5991fbf2b (このIDを非表示/違反報告)
ニコな(プロフ) - よるるさん» よるるさん読んで下さってありがとうございました!頑張ります(≧▽≦) (2016年6月8日 22時) (レス) id: 15e640116f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ニコな | 作成日時:2016年5月25日 23時

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