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あれから何分経っただろうか。
『っ…はぁ……はぁ…』
中原「もう終わりか? てめぇの異能力も、触れられなければ使いもんにならねェな」
っ…そう思うならお引取りくださいよ。
ケラケラと余裕そうに笑っている刺客に、思いっ切り手を振り上げるが、サラリと躱される。
本っ当、すばしっこい人だ。
小柄だからか、余計にそう見える。
先刻から私は、刺客に触れようとしては避けられ、また触れようとしては避けられ、を繰り返している。
逃げようとも試みたが、背中を向けた瞬間殺られそうなので諦めた。
だからせめてもの反抗で こうして相手に異能力を使ってやろうと行動しているが、一向に触れられない。
『女子高校生の体力ってそこまで無いんですよっ…!』
中原「お、今のは惜しいな」
あーっ…もう、また駄目じゃん。
次こそ…と、私が足を踏み出したのと同時に、刺客がゆっくりと口を開く。
中原「なァ。俺もそろそろ飽きてきたし、早く帰ってゆっくり酒が飲みてェんだ」
っ…、拙い。此の感じは非常に拙い。
逃げなきゃ、逃げて、
中原「だから、もう大人しく眠っとけ」
『ぁ…』
次の瞬間、私の首に衝撃が走り、視界が暗転した。
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作者名:ヲタクJK | 作者ホームページ:non@nikoniko
作成日時:2023年3月21日 18時