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太宰「何故……私にお礼を?」
太宰の質問に 賢治は顔を伏せながらポツリポツリと話し始めた。
賢治「今までAさんに近付く男性は、Aさんの力が目当てか…顔が目当てかの何方かでした」
太宰「……だから賢治くんが牽制を貼っていたのかい?」
賢治「あはは…太宰さんにはバレていましたか!」
太宰「何となくそう思ってね」
流石太宰さん!と、褒めてから再び話に戻す賢治。
賢治「Aさんは其のせいで無意識に他人を警戒する癖が出来てしまって…」
其の言葉に太宰は 確かに逢引の時の警戒心は凄かったな…と、あの日の事を懐かしむ。
賢治「だから“Aさん”と云う一人の人間を好きになってくれた太宰さんには感謝しているんです!」
ニパッと明るく笑った賢治に、太宰も吊られて笑う。
太宰「……却説、そろそろ時間だ。私達も探偵社へと向かうとしよう」
____________此れは日曜日の昼下り、うずまきでの出来事だった。
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作者名:ヲタクJK | 作者ホームページ:non@nikoniko
作成日時:2023年3月21日 18時