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○２９ ページ29
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「お姉さんは、強いんですね」
私と違ってお姉さんは強い、そう感じた。
「強い、なぁ。そんなことないと思うで？」
お姉さんはまた笑って見せた。
「私も、望も、強くなんかない。弱いのを必死に隠して、強そうに見せてるだけやねん」
そう言った後、ちょっとだけ苦しそうに顔を歪めて俯いた。
その姿は、すごく小さく見えて、お姉さんが言ったことは本当なんだと、思わされる。
「あくまで私は、やけど、こうでもせんとやっていけんねん。
望が居なくなってまうんやないやろうか、って思ってまうこともあるけど、考えないように無理やり笑っとる。
やから私は、結果弱いねんで。強くなんか、ない」
うっすらと、目に涙をためて、なおも笑いながら話した。
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「じゃあ、私仕事あるから、望のことよろしくな」
そのまま、お姉さんは部屋を出ていき、私とのんちゃんで二人きり。
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「のんちゃん、」
自動販売機でそれを買って、部屋に戻ってきた。
なぜかどうしても今、無性に欲しくなったから。
＿＿＿いちごミルク、飲もうよ。
私、これ好きなんだ！
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作者名：えぇふぇす | 作成日時：2018年2月15日 23時
