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「あの、もしかして、のんちゃんのお姉さんですか…?」






少し驚いた様子で私を見た後、ふんわりと笑った。



その表情も、のんちゃんによく似ていて。




「よう分かったな。そうやで」




前に、のんちゃんから家族の話を聞いたことがあって、お姉さんがいる事を知っていた。




なんでもお姉さん、のんちゃんの名前“望”の名付け親だそうで。




ぺこりと一つお辞儀をして、「Aです!」と挨拶をする。





そんな硬くならんでええよ、って優しい言葉をくれたお姉さん。





のんちゃんと一緒で、いい人だ。





「望、Aちゃんきたで?挨拶くらいしいや」



意識不明の人には、話しかけると良い、とどこかで聞いたことがあった。




「のんちゃん、起きてお話ししようよ」




だから私も、のんちゃんに話しかける。




私と、お姉さんと、のんちゃんの3人で会話をする。




「望!Aちゃんって面白い子やな!よう見つけたなぁ、こんなええ子」






お姉さんは、笑っていた。

弟が病気で倒れたにもかかわらず、笑顔を絶やさなかった。





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どうして笑っていられるんだろう。


私なんて、必死で笑っても不安が顔に出てしまうのに。




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でもよく考えてみれば、その答えは案外簡単なものだった。






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作者名:えぇふぇす | 作成日時:2018年2月15日 23時

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