○28 ページ28
.
「あの、もしかして、のんちゃんのお姉さんですか…?」
少し驚いた様子で私を見た後、ふんわりと笑った。
その表情も、のんちゃんによく似ていて。
「よう分かったな。そうやで」
前に、のんちゃんから家族の話を聞いたことがあって、お姉さんがいる事を知っていた。
なんでもお姉さん、のんちゃんの名前“望”の名付け親だそうで。
ぺこりと一つお辞儀をして、「Aです!」と挨拶をする。
そんな硬くならんでええよ、って優しい言葉をくれたお姉さん。
のんちゃんと一緒で、いい人だ。
「望、Aちゃんきたで?挨拶くらいしいや」
意識不明の人には、話しかけると良い、とどこかで聞いたことがあった。
「のんちゃん、起きてお話ししようよ」
だから私も、のんちゃんに話しかける。
私と、お姉さんと、のんちゃんの3人で会話をする。
「望!Aちゃんって面白い子やな!よう見つけたなぁ、こんなええ子」
お姉さんは、笑っていた。
弟が病気で倒れたにもかかわらず、笑顔を絶やさなかった。
.
どうして笑っていられるんだろう。
私なんて、必死で笑っても不安が顔に出てしまうのに。
.
でもよく考えてみれば、その答えは案外簡単なものだった。
.
213人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:えぇふぇす | 作成日時:2018年2月15日 23時