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いつか、のんちゃんと話をした中庭。
ベンチに座った私は、ただ一人、何も考えられなくて泣いていた。
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また、のんちゃんを傷つけてしまった。
私はどこまで自己中心的なんだろう。
大毅にも、のんちゃんにも迷惑かけて、困らせて、傷つけて。
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ポロポロと流れてくる涙。
拭っても、拭っても流れてきて、もう拭うことすらやめた。
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このまま帰ってしまおうか。
今からのんちゃんに会うのは気まずすぎる。
そう思って、立ち上がろうとした時、
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私の頭に感じる、体温。
大きな手。
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「ベリーちゃん、ごめんな」
目線の高さにしゃがみこんで、のんちゃんは優しい声で私に謝った。
「ごめん、俺の軽い発言で、ベリーちゃんのこと傷つけた」
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違うんだよ。
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のんちゃんは悪くない。
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「ごめ、なさぃっ」
泣きながら、声にならない声で謝った私に、のんちゃんはふんわりと笑いかけてくれた。
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「ベリーちゃん、泣かへんで？」
私の両頬に手を添えて、親指で涙を拭ってくれては、また一言。
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“泣かへんで、笑ってや”
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そんな優しいこと言われたら、余計に涙が出てくるじゃん。
「あり、がとっ、のんちゃん」
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不器用に、だけど真っ直ぐに、この時の私は泣きながら笑っていた。
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作者名：えぇふぇす | 作成日時：2018年2月15日 23時
