31首筋の、その体温n ページ6
o「...どうかした？」
ぼんやりと正面に並ぶウイスキーのボトルを眺めていたら、そう聞かれた。
n「あ−...っと、まぁ...ちょっと」
o「聞こうか？」
話して...と言われると強制されてるみたいだけど
聞こうか...はまだ自分に選択権がある感じがして
どうしようか...悩んで、
結局、ぽつぽつ話し出すと
たまに、うん...うん..と相槌を打ちながら聞いてくれる
正面のボトルを眺めながら話すのって、
何となく独り言を呟いているみたいな感覚で
想いが次から次へと零れ落ちる
一通り話して、はぁ...と溜息をつく
o「...俺のせいかな、そりゃ..」
n「どうしてそうなるんですか？」
隣を見ると、顎をさすりながら眉を軽く寄せて苦笑いしている。
なんて綺麗な人...
僕の話を聞いてもらってる途中なのに、不覚にも見惚れて
o「そりゃぁ、まぁ...
取られた..とか思ってるんじゃない？」
苦笑いのままの横顔を見つめながら、聞く。
n「何をですか？」
手元のグラスにあった視線を僕に向ける。
苦笑いは何処かへ消えていた。
o「.....お前」
n「僕？...何で？」
取られる？
僕が大野さんに取られる？
だから、苛々してる？
n「...言ってる意味がよく分からないんですが？」
o「案外鈍いんだな(笑)」
n「...そんなこと..ない.....」
潤くんのことが全く分からないなんて、今まで...無い。.....はず
分かってあげられてたって思ってるのは、僕の自惚れだったのかな...
o「ふふっ そんな顔すんな。
たぶん、ヤキモチなんだよ、そいつのイライラは」
n「やきもちですか？？」
まだ何も分かっていない僕の肩をぽんぽん叩きながら
o「そ、ヤキモチ」
笑うあなたが、少し憎らしい。
n「何でやきもちなんか焼くんです？」
o「それは、俺が言うべきことじゃないな。」
そうですか...
そうですよね。
.
黙り込む僕の肩を抱き、引き寄せるあなた
ぎゅっと力の入る指先を感じる肩に、全身の感覚が集中する。
o「お前はいつもどおりでいろよ？
お前のせいじゃないんだから」
分からない
n「...はい」
分からないまま、こめかみにぴったりとくっつくあなたの首筋の、その体温に...目を閉じた。
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革ベルト
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つむぎ(プロフ) - アメリカのＰＣ、日本語表示できますよ。 (2012年6月4日 4時) (
レス) id: 32ea6371ea (このIDを非表示/違反報告)
大宮ユウキ(プロフ) - 初コメです。大宮ユウキと申します。大野さんと二宮さん…もう切なすぎて…私が泣けてきちゃった(笑)これからも更新頑張ってください♪ (2012年5月21日 14時) (携帯から) (レス) id: d06ad1a562 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2012年5月7日 20時
