かわいい子には要注意3 ページ35
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「そうだ、二年の廊下でやらない?こいつ二度とStellaと話せないようにしてやろう。」
「トイレで水くんできてよ、優香。」
二つ返事で了承した先輩がこの場を飛び出す。今から何をされるかは、大体想像がついた。
私をいじめるのは分かる。でも、先輩たちは、Stellaのことが好きなはず。Stellaが見ている前で、私をいじめるとすれば誰がどう見たって悪者は完全に先輩方だ。
「そんなことしたらあなたたちのやったことがStellaにばれちゃ……」
パシンッ
今度は頬を平手打ちされた。頬がジンジンと痛む。
「私たちに情けをかけてるつもり?ふざけないで。」
「裏切者には制裁を与えることは当然の報いじゃない。それに、これはStellaも許可してる。」
許可してる……?許可してるって何。
いじめを?このいじめをStellaが許可してるっていうの?
頭が混乱している間に、私は首根っこを先輩に掴まれていて前に押し出された。
「口答えは良いからとっとと歩きなさい。公開処刑にしてあげるわ。」
莉子ちゃんごめんなさい。今日は一緒にご飯食べれそうにないです。
半ば引きずられるようにして、二年の廊下までたどり着く。すれ違う生徒からは「ああ、またか」っていう目で見つめられるだけ。男も女も知らんぷり。
二年の廊下の真ん中あたりに来ると、引っ張られていた腕を離され盛大にこける。痛みはもう感じなかった。もう何か所殴られたのかわからないし、常に全身が痛む。
ギャラリーは既に人で溢れかえっていて、先生はちょうど昼休みだから職員室にいるし、止める人など誰もいない。
「A……っ!」
仲の良い友人たちの声が耳に入る。これだけ騒ぎになっていたら、来ちゃうか。晴香たちには見られたくなかったなぁ。
「いい気味ね。もうすぐStellaも来る頃だから、少し待ちましょうか。」
大量の水が入ったバケツがやってくる。殴られて、水をかぶって土と泥で汚い私なんかStellaは相手するわけない。そりゃそうだ。
妹失格じゃん私。普段からStellaの役に立てていないのに、こんな騒ぎを起こしてしまって、完全にお荷物。
自分の無力さに思わず泣いてしまいそうになる。でも、この人たちのせいで泣きたくない。負けちゃだめ。絶対にだめ。
「何の騒ぎだ。」
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一(プロフ) - 氷翠さん» 夢主は生粋のいい子ちゃんにしてみました。 読んでくださりこうしてコメントくださることが一番嬉しいです。 更新頑張ります! (2019年12月27日 9時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - 輝星さん» ありがとうございます。ときめいてもらえて嬉しいです。更新頑張ります……! (2019年12月27日 9時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)
氷翠 - 夢主様良い人すぎて泣いた。大好きになりました!登録できないのが悔しい・・・更新頑張ってください!! (2019年12月25日 20時) (レス) id: 3f35ea9ba7 (このIDを非表示/違反報告)
輝星(プロフ) - とっても素敵でめちゃくちゃトキメキまくってました!すごく大好きです!語彙力なくて全然言えないのが悔しいです。更新頑張ってください!楽しみに応援してます! (2019年12月25日 2時) (レス) id: 5fda6ee181 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - 神月さん» ありがとうございます。地の文が多くて読みにくいところもあると思いますが、そういってもらえて嬉しいです…!頑張ります。 (2019年12月17日 19時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一 | 作者ホームページ:https://twitter.com/ninoma_e
作成日時:2018年5月4日 17時