【HQ】アイドルの兄たちに愛されちゃってます。【赤葦/白布/国見】

かわいい子には要注意１１ ページ43

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七瀬 A。私はアンタを許せなかった。
Stellaが滅多に使わない校内放送で、入学当初から可愛いと有名であった2年生の七瀬Aを呼び出すという異例の事件があった次の日。
いつも通りStellaが来るのを待っていると、Stellaと七瀬Aが一緒に登校していた。
もちろん批判をする女子もいたが、絵になるほどの美男美女に絶賛の声の方が多かった。普通の子なら、バッシングで溢れかえることは間違いないのに。

でも、私だって七瀬Aと同じくらい……いやそれ以上に可愛い。それに今日は、朝早く起きて賢二郎センパイのためにお弁当も作ってきたんだ。そう言い聞かせ、人混みを掻き分けて、手作りのお弁当を白布くんに持って行くと。

「俺、コイツに作ってもらうことにしたから弁当いいわ。」

そう言って、賢二郎さんは私の目の前で七瀬Aの腕を引き寄せた。その瞬間、私の中で何かがパリン、と音を立てて壊れた。
私から賢二郎センパイの隣を奪うなら、隣にいれない体にしてやればいい。そう思うと、自然と口角が上がった。その日から、弱みを探るために七瀬Aに近付いた。

近くにいればいるほど、Aセンパイに弱みなど存在しなくて、センパイの言葉に心から笑ってしまうことだってあった。それが悔しくて。可愛くて、誰にでも優しくて、魅力のある彼女が心の底から憎かった。

そんな時に、私のことなど眼中にない賢二郎センパイとAセンパイが楽しそうに話しているのを見て、壊してしまおうと思った。
前々から、用意していたStellaの親衛隊にAセンパイをいじめさせることにした。
私を怒らせた罰だ。親衛隊は躊躇ったのか、顔は赤く腫れている程しか殴っていなかったが、白くて細い腕や足が痣だらけになっていくのは見ていて気持ちが良かった。いい気味だと思った。

お決まりの公開処刑。Stellaがきて、それまで何にも堪えてないようだったAセンパイの顔が初めて歪んだ。水をかけられる瞬間、Aセンパイと目があって、にやついていた私の顔は一瞬で凍った。

完全に私を信じきった顔。昼休みに呼び出したのに来ない時点で大体の人間は想像つくでしょ。それが当たり前なのに、Aセンパイはずっと私を信じていた。罪悪感なんて一ミリも無いと思っていたのに。
バケツの水が飛んでいくのが、とてもスローモーションに見えた。





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