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降谷さんとの出会い12 ページ12







チャンス。一対二では勝ち目が無くとも、一対一ならどうにかなりそうだ。
……ここで、負けて死んだとしてもただ私の実力がそれまでだったということ。別に悔いはない。
腰の銃に手をかけ、男の足音が完全に聞こえなくなるまで息を潜めた。

一瞬の静寂、咄嗟に走り出そうと右足を前に出す。しかし、足が地面に触れることはなく、何者かによって男とは真反対の方向に引っ張られた。口を布のようなもので塞がれ、声が出せない。

エイトではないことは確かだ。だとすればマフィアの仲間に見つかった?
後ろを気にしていたつもりでいたが、気配を消して接近されるとは。爪が甘かったようだ。
一つ角を曲がったところで、口元の布が取られ、何故か解放された。不審に思いながら相手の顔を見る。

「ふる……や、さん。」

約1ヶ月間、私はこの計画がバレないように細心の注意を払って、動いてきたつもりだった。なのに、何故。どうして、ここにいるんだ。

「何をしようとした。」
「……何で、ここに。」
「いいから、質問に答えろ。お前は今ここで、何をしようとした。」

他人の私でもわかる。降谷さんは私に怒っているようだった。いつもよりワントーン低い降谷さんの声に、怯みそうになるが目を伏せながら答えた。

「親のかたき討ち。」
「そんなこと、お前の親が望んでいると思うのか!?」

両肩を降谷さんに掴まれる。真っすぐに見つめられる瞳。気持ちがぐわんと揺れる。
誰もこんなことを望んでいないことぐらい分かっている。
エイトもおじいちゃんもお父さんもお母さんも、それに降谷さんだって。それでも、私は奴らに復讐をしたい。お父さんたちが苦しんだのと同じ目に遭わせたかった。

「でも……それでも、私はっ」
「誰だ。そこにいるのは。」

つい感情的になって、声が大きくなりすぎた。はっとなって自分の手で口元を塞いだが、もう遅くて。一つの足音がこちらに近づいてくる。
咄嗟に降谷さんは私を背中に隠そうとしたが、私はそれを拒んだ。
逃げ道もないまま二人同時に見つかってしまい、私達を見た男はにやりと口角を上げた。





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設定タグ:名探偵コナン , 逆ハー , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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- 更新停止…降谷さんに残業でもさせられてるんですか?() (5月4日 15時) (レス) @page31 id: 50b2221609 (このIDを非表示/違反報告)
ばなな( ?)バナナ(プロフ) - くそぅ、、次はまだないのか……更新いつまでもまってまっせ、赤井さん…|´-`)チラッ (2023年4月3日 6時) (レス) @page31 id: 0b7a4ff9a1 (このIDを非表示/違反報告)
Kaho(プロフ) - うわわわ、、これからって所で、、残念です (2022年11月27日 20時) (レス) @page31 id: 153df11488 (このIDを非表示/違反報告)
Black - 降谷さん尊い…更新してほしいです‼︎ (2022年5月27日 20時) (レス) @page31 id: 45fea12ca1 (このIDを非表示/違反報告)
らら - 更新停止...😭 (2022年4月29日 17時) (レス) @page31 id: 72f8657db1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:https://twitter.com/ninoma_e  
作成日時:2019年12月1日 21時

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