そういう偏見やめてもらっていいですか？

偏見18 ページ18

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志麻さんが怖い。

そんなのこの数年間で思った事なんて無かった。
何時でも優しく接してくれて格好いい志麻さん。でも、なんで。

私はTwitterの名前と本名は掠りもしない全く別の名前。実はTwitterの名前は志麻さんが命名してくれた。
全く別の名前であれば本名を教えたことも無い。

じゃあ、一体どこで...

そこで、このタイミングで電話が鳴った。

『え、あ。電話、』

力が緩まった志麻さんの腕の間からするりと抜け出して携帯電話を確認すると優さんからの着信。
少し驚いたがそういやLINEの返信してない、と焦って電話、出てきますねと廊下に出た。

『..はい。もしもし』
坂｢あ、Aちゃん！？よかった〜既読付いたまま返信無いから何かあったのかと｣
『その件はすみません....』
坂｢えーどうしよっかなあ〜〜｣

耳元からは悪戯を企んでいるような坂田さんの声が聞こえる。

坂｢あ、そうや。今日１２時から、デートしてくれるんやったら許したるけどな〜｣
『でっ、！？！、？』
坂｢うん。でえと｣

母音を伸ばすように言う坂田さんは妙な色気があった。声だけなのに。

『１２時、行けると思います』
坂｢ほんま！？じゃあ◯◯駅に１２時集合な！！｣
『はい、分かりました。』
坂｢それじゃ！後でな！｣

ぶつり、と回線が切れる音がして電話は終了した。
志麻さんから逃げ出すにはこれに乗らなければ。

『し、まさん』
志｢んー？どしたん｣
『ちょっと予定入っちゃいまして...１０時頃出させていただきます』
志｢えー、予定なら仕方ないな...｣

現在の時刻、９時５０分。
それからわざわざ荷物を纏めるのを長引かせて、逃げるように志麻さんの家を出た。

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