幼馴染と噂の店主 後日談 ページ15
「だから嫌だったんですよ！！ロゼの野郎なんて連れてこなきゃよかった！！！」
「そういってやるなよ若造。ナァ？ロゼ。」
「全くですよ。ねぇギルさん。」
今日も今日とて酒飲みで賑わう「烏合の衆」での午後九時頃。
幼馴染が二度目の来店を遂げたあの日からギルさんとロゼは大いに仲良くなってしまった。
ねちっこいというか時に残忍というか、バッサリした性格でお互い馬が合うと。
それ自体をとやかく言うつもりはないけれど不服なのはロゼが俺のお目付け役だということだ。
閉店まで居座るのは流石に騎士として支障が出ると日付が変わる前に帰るよう促されるようになった。
できれば長くギルさんと一緒に過ごしたい俺はギルさんの頼みでも渋って最初は抵抗していたのである。
けれどそこへ出張ってきたロゼにあの手この手の弱みを握られ、結局今はおとなしく十二時には帰るようにしている。
さらに次の日が非番の時はロゼがついてきて俺とギルさんの逢瀬を思う存分妨害してくる。
今だってギルさんの顔とロゼさんの顔が近い。
カクテルの酒言葉に興味を持ったロゼに説明をしているのはわかるけれどそんな鼻先が付きそうなほど！
アーッ！！近い！！近いってば！！
「ロゼテメェ！！ギルさんにそれ以上近づいたら細切れにすっぞ！！！」
「うっわ！野蛮！ギルさーん、アルマがいじめてきまーす！」
「おーヨシヨシ。」
「どさくさに紛れてギルさんに引っ付くなぁぁぁッ！！」
なんでこんなに仲良くなってるんだ！
俺が寝落ちてから何にもなかったなんて絶対嘘だ！！
絶対に何かしらがあった！！
吠え続ける俺を躾のなっていない犬を見る目で見てくるギルさんも好きだけれど流石に傷つく。
俺はギルさんのためなら忠犬と呼ばれることもやぶさかじゃないのに。
硬く握りこぶしを作ったところでロゼを引きはがしたギルさんが俺の顎をつかんで自分の顔へ近づける。
黒曜石のような綺麗な黒の瞳がジッと俺の瞳を見つめている。
意外にも細くスベスベな肌を持つ人差し指が唇にあてられた。
あっ好き。
「アルマ。喧嘩はめっ。」
「アッ！！」
「さすがギルさん。破壊力たけー。」
短い悲鳴を残して絶命した俺にドン引くロゼなど視界に入らない。
めっ。ってなんだ。めっ。って。
普段口の悪いギルさんがめっ。
「いつ入籍してくれますか。」
「うっわ。」
「俺がお前にちゅーできるようになったら。」
その日、俺は机に頭を強く打ち付けて気絶した。
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午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
