約束したい若造騎士�� ページ16
飲んだ杯数など覚えていない酒場のひと時。
酒を片手に語ることなど肴にしかならないどうでもいいこと。
飲兵衛だらけの大衆酒場で重要なことを語るような間抜けな奴はいない。
おそらくギルさんも、ウマくもない肴としてこの話題を口にしたのだろう。
「俺さ、誰とも付き合ったことないんだよねェ。」
「…え。」
口にいれようとしていた焼き魚の身が箸からポロリと落ちた。
間抜け面だとわかっていても開いた口が塞がらない。
鳩が豆鉄砲を食らったような顔とやらは今自分がしているような顔なんだろう。
いや重要なのはそんなことじゃない。
ギルさんは、今なんて？
「誰とも…付き合ったこと…ない？」
「アルマは貴族の嗜みとやらであるんだっけェ。」
「貴族として男女ともに問題なく接せるように行われる教育の一環ですから…じゃなくて！！俺の話なんてどうでもいいんです！！」
ヴィクトリア家は一人息子故に問題のないお嬢様ご子息様とお付き合いすることで人と恋愛においての関わり合いを学ぶ。
そのまま許嫁になることもあるし、別れるという点でも教育であれば後腐れがない。
ヴィクトリア家に関しては代々恋愛結婚を推奨しており、教育以外でのお付き合いには至っていないので本当の意味での初恋はギルさんだ。
その辺の話はギルさんにしていて俺の初恋はあなたですと愛の告白を。
いやだから問題はそこじゃなくて！！
「てっきりギルさんはすでにお付き合いした方が何名もいたのかと…。」
「えぇ？俺そんな遊んでるように見えるゥ？」
「遊んでいるというより貫禄があります。経験者は語る、みたいな。」
「俺とお前、年齢的には四こしか違わないからネ？」
「そういえばそうでした。」
俺は成人して数年のカテゴライズではそれなりに濃い人生を送ってきたつもりだ。
けれどギルさんはたった四年の差でも異様なほど凄みがある。
この人が言うならと誰でも納得してしまうような、そんなものを持っている。
従業員を取っていないから手腕については定かではないが、きっと人を使うのもうまい。
カリスマ性が飛びぬけているといえば表現できるのか。
「そ、その、どのぐらいのレベルで初々しいのかお聞きしても？ABC？」
「古すぎるわ。ていうか食いつき過ぎ。」
興味津々な俺にちょっと冷たい目線が向けられる。
イイじゃないですか別に。
初恋の人も実は恋愛において初心者です、なんて。
ちょっと男として燃えるものがあるんです。
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午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
