カルマ大好きっ子ですが、なにか？【番外編】 (ページ9)

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夕陽に想う　≪1≫ ページ9

貴方side

放課後、カルマに先に帰っていてもらい、殺せんせーに勉強を教えてもらっていた。

貴「……ありがとうございました、殺せんせー。おかげで、ようやく理解できました」

殺「そうですか。それなら良かったです」

そう言って、殺せんせーは窓に目を向けた。

殺「もうそろそろ日が暮れます。そろそろ帰ったほうがいいでしょう」

そう言われ、ボクは教室を後にした。

　
　
　
　
山道を下り終わった頃、陽は随分と沈み、夕陽の赤がとても美しかった。

貴「カルマの髪色みたいだなぁ」

夕焼けの色をそのまま髪色にしたような彼を、ふと思い出す。彼の姿を見ると心が跳ねるのと同時に、ひどく安心するのはあたたかな夕焼けの色を彼が持っているからに違いないと小さな頃から思っていた。

夕焼けの色を隣で見ているだけじゃ、満足できなくなったのはいつなんだろう。そして、その夕焼けの色を手に入れたいと思ってしまう自分に嫌悪し、彼の隣に立てることを嬉しく思いながらも、こんな自分が彼の隣にいることに罪悪感を感じ始めたのはいつからだったんだろう―――――――？

　
　
　
　
　
　
　

夕焼けをどれくらいの間、見つめていたのだろうか。……視界が明瞭ではない。頬を触ると、涙で濡れた跡があった。きっと夕陽が目にしみたのだ、と自分に言い聞かせる。今日はカルマの家に泊まりにいくのだから、余計な思考と感情は捨てておかないといけない。醜い感情を抱きながら美しい彼に会うことなど、あってはならない。目を閉じ、大きく深呼吸をしようとしたとき、

カ「輪廻？」

一番会いたくて、一番会いたくない彼の声が聞こえた。