【名前変換オリジナル】記憶保有期間、一年。

失敗 ページ36

私は相楽先生に突進した。

「ああああああ」
「うわっ、どうしたの！」

私は相楽先生の後ろに回った。
白衣を握りしめてがくがく震える。

「むり、むりむりむりむりなにあれ」
「……オモチャだぞ」

深見先生は「それ」を指で挟んでぷらぷらと掲げる。

「……秋良、あんまりいじめちゃだめだよ」
「……」

先生は首を傾げる。

「別にいじめてない」

私はぶんぶんと首を横にふる。
悪意しかない！こいつ！！

「ほら、怖がってるでしょ。ね、一条。意地悪する秋良なんて嫌いだよね？」

私はぶんぶん頷いた。

「……ふうん。俺が嫌いなのか」

あ。
怒らせた。

部屋の温度が急降下する。
これはまずい。

彼は芋虫のオモチャを机の上に置いて、こっちに歩いてくる。

やばい。

相楽先生の白衣を引っ張って助けを求めてみたが、どうやら役立たずのようだ。
むしろ深見先生を怒らせてしまった。

「……来い」

無表情で見下ろされて、私は諦めて大人しく従うことにした。

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