【歌い手】席、どうぞ３【Eve】

プリクラ Sou side ページ34

『どれがいいかな〜あ、これは？』



「どれでも大丈夫だけど」



プリクラの機種をすごい探してる



『これでいいかな！』



そう言って100円玉を入れ始めたAちゃん



「これ」



俺は200円渡した



なんか画面を触って、撮影ブースに移動しろって指示が出た



プリクラ「最初は元気にピース！」
「次はウィンクでキュートに！」


指示されたポーズをやっていく



プリクラ「2人で仲良くハート作っちゃおう！」



ハート...



Aちゃんの方を見るとAちゃんはもう半分ハートを作っていた



『なにしてんの？はやく！』



「あ、ごめん」



俺もハートをくっつける


近い...



ｶｼｬ



画面に写った写真はとても俺たちの距離が近くて



妙に心臓が鳴ってる気がする



『ラクガキだ〜！！』



隣で楽しそうにラクガキしてるのも



クレープ食べて美味しそうにしてるのも



買うもの悩んでるのも



...




Aちゃんじゃなきゃだめ、な気がする



そんな、



俺



今日なんのためにAちゃん誘ったんだっけ



...そうだ



俺がふたりきりで遊んだことで、EveくんにAちゃんへの気持ちをしっかり自覚させること



それと、Aちゃんひとりじゃ買いにくいであろうEveくんの誕プレを買うこと



そのはずなのに




「なんで...好きになってんの...」



『ん？なんか言った？』



「え、いや？」



『そっか〜』



ふふふって笑うAちゃんも可愛くて



ごめんEveくん



こんなつもりじゃなかった



悪いやつになるね、っていうのは



Eveくんを嫉妬させてAちゃんの事もっと意識させようってことだった



そうしてくっつけようとしてた



でもそれを俺が邪魔しちゃダメだよな



...俺はEveくんを応援するから。

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