呪術高専でカフェをはじめました【第三章】

癒しの時間【89】 ページ9

彼の魅力に圧倒され

一時はどうなるかと思ったが

何とか食事を再開し完食すると

私は時間を確認する



A『あら、もうこんな時間ね…

あともう少しでディナータイムだわ

私は準備がありますが

七海さんはゆっくり食べていて下さいね』



席から立ち上がると

一度化粧室に入って乱れた髪やお化粧を直す

それが終わると使った食器を洗い

急いで店内の照明を変え、メニューを置き替える



七海『カフェの雰囲気が変わりましたね

Aさんごちそうさまでした』



A『ふふふっ

夜はBARになりますから

ムーディーでセクシーな雰囲気にしています

七海さんせっかくですから

このままゆっくりしていって下さいね』



七海『ありがとうございます』



私は七海さんの食器を回収し

カフェの入り口に立て札を掛ける



A『これでよし

今日は都合により8時まで営業っと…』



七海『おや、何かあったのですか？』



A『実は明日から夏油さんにお仕事を開始して

もらうんですが当日朝早いので

今夜は少し早めにお店を閉めようかと…』




七海『なるほど…明日からあの方が…』




七海さんは腕を組み眉間に皺を寄せる

私はその様子を見ながらキッチンに入ると

ビールをグラスに注ぎ、彼の前に置く



A『はい、どうぞ

大丈夫です…彼ならちゃんとやってくれます』



七海『ありがとうございます

そうだといいですが…』



グラスに口を付け

ビールを美味しそうに飲む彼を見て笑みが溢れる

そんな七海さんに何かおつまみを作ろうと

冷蔵庫から食材を取り出しているとチリンと音が鳴った



A『いらっしゃいませ

あら伊知地さん！』



伊知地『こんばんは

Aさん』



A『こんばんは

さ、どうぞお掛け下さい

お飲み物はビールかしら？』



伊知地『ええ、お願いします』



伊知地さんは七海さんの隣に座ると

疲労からか大きな溜息を吐く

ビールが入ったグラスを彼の前に置くと

伊知地さんは一気にそれを飲み干した



A『伊知地さん、大分お疲れのようですね

大丈夫ですか？』




伊知地『Aさんは本当にお優しい！

はぁ…何で私は何時もこんな目に…

毎日毎日激務に追われ

終わらせても終わらせても増える書類…

一体私が何をしたというのですか』




伊知地さんは項垂れてしまう

そんな彼を見ていた私と七海さんは苦笑いを浮かべてしまう




A『伊知地さん…

今夜は私が貴方を癒しますから安心して下さい』




伊知地『ありがとうございますうう』

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