14 ページ14
.
「お、はじまった。」
これか、沖田が言ってた昼ドラは。
『はい、こちらカップラーメンになります。』
テーブルに他人の家とは思えないくつろぎようで座る沖田に、カップラーメンをお箸と一緒に差し出す。
ちょっとムカつくからお湯少なめにしてやった。
私は冷蔵庫に入ってた銀ちゃん特性チャーハンをチンして、
沖田の隣の席に置く。
私も一応ドラマ観てみたいし。
『いただきまーす。美味しそ〜。』
銀ちゃんの手料理結構美味しいんだよね。
パクパク食べちゃう。
「__オイ、ひと口くれィ。」
『は?やだよ、これ私のだもん。』
「俺のラーメンひと口やるから、ひと口くれィ。」
『それ元々うちのだし。』
「地球上のすべてのものはみんなで仲良く分け合わなきゃいけねェんだよっと。」
『わ、ちょ、』
私がまさに食べようとしていたチャーハンを、手首を掴んで沖田が食べようとする。
『私のチャーハン!!』
「ケチくせェこと言ってねェでくわせろィ!」
『食べられる前に食べてやる……!』
ん、あとちょっと!!
口を大きく開ける。
「ん。」
思いっきりスプーンに噛み付いたはずが、
私の手に握られたスプーンは沖田の口の中にあって。
__しかも、すぐ目の前に沖田の顔。
鼻と鼻がくっつきそうなくらいに。
『__わ。』
顔がばっと熱くなるのを感じた。
目を逸らそうにもなんだか体が固まって動けない。
そんな私をみて、沖田がニヤリと笑う。
「そんなにチャーハン食べたかったんですかィ、
Aちゃん?」
さっき言い争ってた時とは違って、低くて静かな声。
「だったら今から口移しで食べさせてやろうかィ。」
『た、食べ終わってから喋れ!』
「そしたら口移しできねェだろうがィ。」
沖田がゆっくりと、私が座る椅子の背もたれに手をかける。
後ずさりしようにも、このままじゃ椅子から落っこちちゃう。
『ちょっと、まっ__』
……ブー!!!
……何が起きた。
反射的に閉じた目を開けると、笑い転げる沖田、
顔のベチャッとした感覚。
『ふざけんな!!何晒してくれとんじゃ!!』
「ククク、あんた、案外ウブだねィ。」
『人様の顔にチャーハンぶっかけといて何呑気に笑ってんだよ!!
食べ物を粗末にすんな!!!!』
とりゃあ!と笑い転げる沖田を蹴る。
「テメ、何すんでィ!」
今日、何回目かの喧嘩の幕開けです。
.
124人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ニコ | 作成日時:2020年4月3日 10時