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はぁ、はぁ……
『まさか、家まで追いかけてくるとは……』
あれから2人で息も絶え絶え、走りに走りに走って、
どの角を曲がっても沖田を振り切れることはなく、
遂に家の前まで着いてしまった……
アパートの裏にある階段を登っても着いてくる始末。
もう追い詰められちゃったし、
私今日死ぬんだ(悟)。
「ちげェよ……
いや、そうだけど……追いかけたけど……ちげェよ……」
『そうだけど違うって……なに……』
「俺の家……そこ……」
そう言って沖田が指さしたのは、私の後ろにある近藤さん、土方さんの部屋。
つまりお隣の部屋。
『……は?いや、ここ近藤さんと土方さんの……』
……あ。わかってしまった。
Aちゃんはわかってしまった。
『まじか……』
「そういうことでィ……」
多分沖田は、近藤さんと土方さんの家に引っ越してきたんだ。
同じ中学とか言ってたし、絶対そうだ。確信。
『え?じゃあまって。
私ら同じクラスだよね?』
「おう。」
『席隣だったよね?』
「おう。」
『同じ部活だよね?』
「おう。」
『家もお隣さんなの?』
「らしいぜィ。」
『らしいぜィ。じゃねえよ!!
なにクールな感じで言ってんの!!』
「まァ運命ってやつでィ。
てことで、飯食わせろィ。」
は?
『は?何その流れ。
何がどうなったらそうなんの。』
「近藤さん達は今日も練習あるから昼飯は適当に買って食えって言われてたんでィ。
けどアンタ追いかけてたら買うのすっかり忘れちまってねィ。
今から買いに行ったら、昼ドラが始まっちまうんでさァ。
とゆーわけで、飯食わせろィ。」
はー、なるほどね。だから早歩きしてたわけね。
私を追いかけてたわけじゃなかったんだ。
まあそりゃ仕方ないよね。
『ってなるかああ!!
何たかろうとしてんの!!』
「オラ、鍵貸せ。
って、開いてんじゃねェかィ。空き巣に入られるぜィ?」
銀ちゃん!!!!
あの後銀ちゃん一旦家帰ったんだよね!?
不用心だよ鍵かけてよ!?!?
もう何が何だかよくわからなくて、混乱中の私を他所に、沖田は「おじゃましまァす。」とか呑気なことを言って家に上がり込んでる。
『空き巣はアンタでしょうが。』
もういいや。カップラーメンくらいあるし。
銀ちゃんの手料理は私が食べるからね。
はあ、とこぼしたため息を部屋に入れまいとに するかのように、私はドアをバタンと閉めた。
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作者名:ニコ | 作成日時:2020年4月3日 10時