日常20 ページ21
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とある月曜日。今日は部活がオフの日である。私は珍しく仕事が休みの母さんに言われ、お使いに出ていた。
丁度曲がり角に差し掛かった時、目の前に現れた長身の男にぶつかった。咄嗟にごめんなさいと謝り上をむくと、それは及川で。
「あれ、及川何してんの。」
「俺は「なーー徹!!このねーちゃん誰!?」
後ろから出てきたのは、小学生くらいの元気な男の子。どこか見覚えのあるその子を見ながら及川に問う。
「え、隠し子?」
「違うに決まってんでしょーが!甥っ子の猛!てか一緒に遊んだことあるでしょ二人とも。」
甥っ子の猛。甥っ子の猛…。
「あ、え?あのたけるくん!!?おっきくなったね!私だよ!A!!」
「あ!!!Aねーちゃん!?」
昔、まだたけるくんが小さかった頃に、よくいっしょに遊んでいた記憶が蘇る。
「A、ほんとにちっちゃい子好きだね。そういう性癖?」
「違うわアホ。」
及川を殴る。いたいよ!A!と涙目になっている及川を無視する。これが計算されたあざとさではなく無意識なのだから恐ろしい。
「徹、さっき「彼女と別れたの、何がいけなかったんだろ」ってつぶやいてたんだぜ!」
「ふーん笑?」
「あっこら猛!黙ってなさい!!」
「それにね、なんか黒髪の目つき悪い奴に頭下げさせて写真撮ってたんだぜ?だせーよな!」
「だから黙ってなさいっていってんの!」
たけるくんからポロポロと出される、及川の残念な話に私はにやにやと笑う。
黒髪の目つき悪いやつと言えば、岩泉か影山くらいだ。が、私を知っているのに岩泉を知らないはずがない。
「影山と会ったんだね。またバカとかアホとか言っていじめてきたの?」
「いじめてないし!及川さんからのありがたい助言を与えただけですけど?」
やはりどこか残念な及川だけれど、きっと影山にはもっともなことを言ったんだろうななんて信じている私は間違っていないと思う。
「あ、及川彼女と別れたの何が悪かったか箇条書きにしてあげようか。」
「箇条書きって、すごい悪いとこあるんじゃん!誰がそんなの受け取ると思うのさ!」
「冗談だよ。まぁ聞きたくなったらおいでよ。一から百まで教えたげる。」
「百まであんの???」
そんな及川にそろそろ行くからと、たけるくんに手を振って分かれた。
すると、次に私は曲がり角で再び別の長身とぶつかることになる。
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米粉パン - さいっこうでしたっ!!!神作品をありがとうございます!!! (2022年12月17日 6時) (レス) id: 8b37d8f686 (このIDを非表示/違反報告)
米粉パン - 思わず笑ってしまいました。三年生がとっても仲良くて、いくら強豪の選手でも学生だなって思いました。国見くんのチア姿見てみたいですw (2022年12月17日 6時) (レス) @page47 id: 8b37d8f686 (このIDを非表示/違反報告)
焼肉のお供のご飯(プロフ) - めろんぱんさん» ありがとうございます!作者です!天才とか最高だなんて…照れちゃいます笑笑楽しんで頂けたのなら、書いたかいがあります!神作品だなんて言って貰えて私は幸せ!! (2022年8月25日 7時) (レス) id: 91f2d1010a (このIDを非表示/違反報告)
焼肉のお供のご飯(プロフ) - おつゆ。さん» コメントありがとうございます!作者です。文才ありまくり!?嬉しいです!!言葉にして言ってくださると、すっっっごい嬉しい!!! (2022年8月25日 7時) (レス) id: 91f2d1010a (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん - なんですか!!天才ですか!!もうっ!最高ですよっ!!めっちゃ面白かったです!神作品をご提供ありがとうございました! (2022年8月17日 15時) (レス) @page46 id: 36a941d5ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:焼肉のお供のご飯 | 作者ホームページ:http://http://user.nosv.org/verifymail?u=solomon3240&hash=ff5a5c47ba09bb9e72...
作成日時:2022年4月8日 15時