435.離れないで ページ38
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「ナナ、ちょっといい？」
「ん？ どうかした？」
ゲームが始まる直前、隣にいるハンビン(ちなみに私はハンビンの隣で端だ。私が端な理由はよく分からないけれど、「並びはこうね」とジウン兄さんが決めたからそれに従っている)がそう話しかけてきた。
作戦会議ならさっきしたけれど、どうしたのだろう。不思議に思いながら、なんとなく少し視線を落として。すぐにはっとする。みんなで腕を組んでいるとはいえ、あまりに距離が近かった。
「もしかして間隔狭かった？ ごめん、これじゃ動きにくいよね」
「違うよ。むしろもっと近付いて」
「もっと？ これ以上近付きようがなくない？」
「あるよ」
そう言ったハンビンが、急に私と組んでいた腕を外して。その腕を私の腰辺りに回して、それからぐっと引き寄せてきた。そのせいで申し訳程度に開いていた隙間が完全に無くなってしまった。
「ほら」
「あ……ありがとう……？？」
(なんか……生あたたかい……)
服越し(しかも厚いダウンを着ている)だしハンビンの体温なんて感じなかったはずなのに、何故か触れられていた場所に妙なあたたかさが残っていた。
「そうだ。一番大事なこと言わなきゃ」
「一番大事なこと？」
「うん。……ナナ、俺から離れないでね。そばにいて」
「……は、はい。がんばり、ます」
(……たかがゲームにそんなこと言う？ そもそも私に言うことじゃなくない？)
私を真っ直ぐ見つめる、やけに真剣なハンビンの顔。その圧に負けてついこくこくと頷いてしまったけれど、すぐにそう思った。いくら景品が豪華だとしても、本気過ぎないだろうか。
何より、「離れないで」とか「そばにいて」とか。いくらジウン兄さんが一人で生き残れそうな見た目でも、私が戦闘能力も闘争心もゼロでせいぜいジウン兄さんがターゲットになる前の多少の時間稼ぎ(つまり犠牲、人柱)くらいしか出来ない弱っちい存在だとしても。ハンビンが口にしたこの台詞は、同じ騎士役の私ではなく、お姫さま役のジウン兄さんに向けるべきもののはず。
(……まあ、弱っちい私が派手に押し出されて怪我でもしたら練習に支障が出るもんね……私はメインボーカルで真ん中に立つこと多いし……)
そう納得して、頷いた私を満足気に見つめていたハンビンに「みんなに迷惑かけないようにするね」と言うと、ハンビンはちょっと困ったように眉を下げて「そういうことじゃないんだけどなあ」と呟いた。
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アップルパイ(プロフ) - Rさん» いつもありがとうございます！ 久しぶりの更新になってしまい申し訳ないです🥲 また早めに更新できるように頑張るのぜひ楽しみにしていただけたら幸いです……！🙇🏻♀️՞ (1月9日 10時) (
レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
R - いつも楽しく読ませて頂いています！更新楽しみに待ってます！ (1月8日 2時) (レス) id: 0e71c92fc7 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - おーるいんさん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！ そう言って貰えると更新する活力になります〜！ これからもソンハンビンくんたくさん出てくると思うので、楽しみにして貰えたら嬉しいです☺️ (12月9日 0時) (レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
おーるいん - 忙しい中更新ありがとうございます！めちゃくちゃ大好きなお話で、毎回とっても楽しみに待ってます！ハンビンのストーリー多くて嬉しいです^_^ (12月3日 8時) (レス) @page13 id: 50f65acc84 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - abcdさん» ありがとうございます！ 展開がゆっくりな分、なるべく更新は早くできるように頑張ります！ これからも楽しんで頂けたら幸いです🙌 (12月2日 1時) (レス) @page14 id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アップルパイ | 作成日時：2023年11月28日 15時
