314.理解者 ページ17
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「センターの気持ちはセンターにしか分からないか……ナナの言いたいことは分かるけど、それを言うならナナもそうなんじゃないの?」
「え?」
「ほら、ナナが辞退しなきゃGグループのセンターはナナだったかもしれないし。前回の順位発表だって、ベネフィットがなきゃ1位だったでしょ」
「うーん……でも実際にはそうなってないんだから、責任とかプレッシャーの重さがハンビンやジャンハオ兄さんとは全然違いますよ。Gグループのセンターにならないように辞退したのだって、そういうのから逃げたようなものですし……。
あと俺、次は反動で順位がだいぶ下がってると思いますよ。エゴサとかしないので実際そうかは分からないですけど、ナナには投票しない方がいい、みたいな感じになってそうなので。流石に順位が高すぎたと思うんですよね。もしかしたらTOP9から外れるかも」
小さく笑いながらそう言うと、ジャンハオ兄さんは「もう、なんでそういうこと言うの」と不満そうに頬を膨らませた。
「ナナのばか。ほんとわからず屋」
「え、だって普通そうなるじゃないですか……自虐とかじゃなく、今までのサバイバル番組の流れを見ての予想ですからね? 俺みたいな存在は、他の練習生を差し置いて変に目立ったりしたら駄目なんですよ。1位とか有り得ないです」
「……」
「……す、すみません……」
じとりと睨みつけるような視線を向けられたから、思わず謝る。危ない、これじゃグループバトルのときみたいになってしまう。流石にジャンハオ兄さんは泣かないだろうけれど。
「……いいけどね。ナナがここに居る経緯を知っている今なら、ナナが1位とかセンターに罪悪感を感じて避けようとするのは理解できるから。目立たずにいた方がいいってのもなんとなく分かる。求められる振る舞い方が俺達とは違うんだろうね」
「……理解してもらえて良かったです」
「もちろん、納得はしてないけどね。悔しいし」
「アハハ……」
この話になるともう頭が上がらないから駄目だな。思わず苦笑いをする。
「……やっぱり、ジャンハオ兄さんの言う通り1位になりたいとかセンターになりたいって思えない、むしろ申し訳なさを感じてしまう俺は、ハンビンの理解者にはなれないと思うんですよね。ハンビンの抱える重荷は、1位やセンターのままでありたいって思うからこそ生まれるものだろうから」
ハンビンと私は全然違う。改めてそう思いながら、私はそう口にした。
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アップルパイ(プロフ) - 7さん» N͜͡umberのメンバーまで好きでいてくれて嬉しいですし、素敵なボイプラ関連の作品がたくさんある中で一番好きと言っていただいてとても恐縮です……! まだまだ長いとは思いますが、完結まで書きたいと思っているので、これからも読んでいただけたら幸いです。 (10月6日 20時) (レス) @page27 id: ce8ce21ff5 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» コメントありがとうございます! しばらくシリアスなシーンが続きますが、これからも読んでいただけたら幸いです! 本当に展開が遅くて申し訳ないのですが、更新頑張ります! (10月6日 19時) (レス) id: ce8ce21ff5 (このIDを非表示/違反報告)
7 - N͜͡umberのみんなに会いたくなるしYouTubeでMilkywayの映像を検索したくなりました。ボイプラ系の中で一番好きな作品です。ぜひ完結までいってほしいです。応援してます (10月3日 14時) (レス) @page27 id: 643f8a8165 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 主人公の気持ちが細かく描かれていて凄く悲しくなりました。続きを楽しみに待ってます。 (10月2日 23時) (レス) @page27 id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アップルパイ | 作成日時:2023年9月17日 5時