【d!】ヘビースモーカーと嫌煙家【z/m】

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『洗濯干して一服してる』


そう返せばすぐに既読がついて返信が来る。


『またタバコ』

『私の肺はもう真っ黒だろうな(笑)』

『会いたい』


脈絡のない文面にドキッとする。
返信を返す前に『先輩元気？』と追い討ち。


一昨日。金曜日の事を気にかけてくれてるんだなと普段はあまりしない彼からのLINEで勘付いてしまう。
��しんどかったら連絡してな��と言った彼の言葉を思い出し心配かけてるなと思う反面、付き合ってもないのにこんなに甘々でいいのかと思ってしまう。


そのまま何も返せずにいるとゾムくんから着信が入る。
慌てて通話ボタンを押すと「先輩元気？」と先ほどのメッセージと同じ質問。
いつも聞いている声とは違う彼の声が耳元で聞こえる。
確か電話越しの声はしゃべっている本人の声ではないって聞いたことあるな…。


元気だよと返せばよかったと返ってくる。


「A先輩、好きやで」


これまた不意打ちでドキッとする。あぶない、タバコ落としかけた。
なのに私は平然を装って話を続ける。


「私タバコ吸うのに？」

「タバコなんて関係あらへんよ。俺が好きなんはA先輩。それも引っくるめて好き」


身体は心配やけどと付け足される。
ムッとしてる顔が容易に想像できる。


「そう言ってもらえて嬉しいよ、ありがとう」


そう返すと満足そうに笑う声が聞こえた。
YesともNoとも言わない私に返事を急かさないでいてくれるゾムくん。


そんな彼の優しさに少しずつだけど前を向けそうな気がして、もう一度ありがとうと言うとまた満足そうな笑い声が聞こえた。

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