半永久的な夢(F.J) ページ48
付き合ってどんくらい経つんやろ。
―ああ、もう3年か。
ふとそんなことを考えて隣に目をやった。
メイクを施されているAは半分夢の中。
A「…んあ…？今寝てた？」
長いようで短い3年間。
それはグループとしての活動も同様。
入所してからの年月を数えれば、結成してからデビューに至るまではあっという間だったように思える。
A「あかん、眠い…」
昨晩も夜遅くまでロケに出向いていたA。
疲労と眠気のピークと戦っている。
未来なんて誰にも分からない。
この先何が起こるかなんて、何ひとつとして想像できない。
A「丈くん、」
藤原「ん？」
A「目薬持ってへん？」
藤原「大橋が持ってるんちゃう？」
だけど来年も再来年も一緒にいたい。
自然にそう思えるのは、きっと相手がAだから。
メイクさん「はい、終わりです」
A「ありがとうございまーす」
2人で廊下へ。
こうして並んで歩くだけで幸せを感じる。
A「あ〜、ほんまに眠い」
右隣から大欠伸が聞こえて頬が緩んだ。
A「何で笑うん？」
拗ねたような声。
藤原「トトロ並の迫力やったで」
A「何それ褒めてる？貶してる？」
藤原「褒めてる褒めてる」
些細な会話、くだらない冗談。
歳とっておじさんおばさんになっても続くとええなあ、なんて思ったりする。
3年が4年、4年が5年になっていく。
いつかは10年、20年。
A「ふわあ、ねっむ…」
ふわりと漂った香水が心を擽った。
藤原「なあ、」
A「ん？」
楽屋の扉に手をかけたAがくるりと振り返る。
藤原「4年目もよろしく」
A「え？何の話？」
藤原「さあ？何の話やろ」
不思議そうに首を傾げるA。
A「何の…」
言葉の途中で内側からドアが開いた。
西畑「わ、ビビった…」
中から出てきた大吾が目を見開く。
西畑「何してんの？」
A「あ、いや…何もない」
明らかに動揺するA。
藤原「次大吾ちゃう？」
俺は慌てて助け舟を出した。
西畑「あ、ほんま？行ってくるわあ」
いつかはメンバーにも俺らのことを話して、
いつかはこの関係を認めてもらって、
いつかは共に手を取り合って人生を歩む。
そしていつか、半永久的な愛を手に入れる。
それは約束こそないものの、揺らぐことのない俺の夢。
Fin
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わさび醤油(プロフ) - kkさん» 最後まで楽しんで頂き、こちらこそありがとうございました！今後も読んで頂けるように頑張ります！ (2022年8月17日 16時) (
レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
kk(プロフ) - 紅一点設定の短編集ずーっと楽しく読ませて頂きました！たくさんの素晴らしいお話をありがとうございました😍また新しい作品も楽しみにしています💕 (2022年8月17日 1時) (レス) @page50 id: 797470a670 (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - なつきさん» ありがとうございます！次の作品もお楽しみに…！ (2022年8月16日 9時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
なつき(プロフ) - 素敵なストーリーをありがとうございました。新しい作品を楽しみにしています！ (2022年8月16日 1時) (レス) @page50 id: 292579ac7e (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - とんとんまるさん» 素敵なコメントありがとうございます！とっても嬉しいです。今後のお話もお楽しみに…！ (2022年8月13日 6時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさび醤油
| 作成日時：2022年7月13日 2時
