私と財布と新たな出会い ページ33
「ちょっともう一本牛乳買ってくるー!」
「いいけど、気をつけてね?」
「私は子供か…」
小首を傾げながら心配されて、神威の顔の良さやらお母さん度やらに驚愕しつつも頷く。
心配されて悪い気はしないので、有難うと手をヒラヒラ振り、自販機にむかって歩き出した。
「コーヒー苺、抹茶に果物ふふんふーん」
「おい」
鼻歌を歌いながらそこそこの速さで廊下を移動していた途端、いきなり腕を掴まれて肩に衝撃が伝わった。
いたい。駆け足は悪かったけど、かなり速かったので凄く痛い。
衝撃を緩和させるため、そのまま引かれた勢いでペタリと座り込み、顔を歪めながら手を強めに振り払い顔を見る。
が、それより早く声が上から聞こえた。
「ヤクルコが入ってねぇぞ」
「は」
「ヤクルコ」
「や、ヤクルコ」
それを聞いて満足気に足を組み直し手に持っていたらしきヤクルコを傾け始めた。
…?
……?
なぜ腕を掴む?なぜヤクルコ?てか誰?
向かって右側に眼帯が着けており、その眼帯に髪がかかる程に片側だけを伸ばすという、何とも目に悪そうなアシンメトリーな髪型をしていた。
目を直す気があるのだろうか、はたまた噂の厨二病なのか…。
「なんだ、お前もヤクルコ飲むのか?」
あまりに凝視しすぎたのか、首を傾げつつ予備らしきヤクルコを差し出してきた。
神威といいこの人といい、なんなのだろう。
首を傾げるごとにサラサラと髪が流れていくのが見えるんだよ。
イケメンアピールか、そうなのか。
余計な事を考えていると私の頬にヤクルコをグイグイと押し付けてくる。
目が「いるのか?いらないのか?」と語っているのが見て取れた。
…飲むけどさ。
「有難うございます…」
「おう」
廊下の椅子に座るその人の隣に腰を下ろし、ヤクルコを受け取った。
座るまで渡すのを待っていてくれたので優しさがありがたい。
そのうえ、ストローまでくれたので刺して飲むことにした。
子供の時にたまに飲ませてくれた味だぁ…。
あんまり自分でも買うことが無くなったので、久しぶりのヤクルコにありつけた。
しかもタダで。
勢い良く飲んでいたのですぐになくなってしまった。
私よりも先にヤクルコを開けて飲んでいるというのに、隣のアシンメトリーヘアの人はまだヤクルコ飲んでいる。
人の飲み方に文句をつける気は無いが、思うぐらいは許して欲しい。
あまりにちびちび飲みすぎでは…?と。
微妙な顔をして隣を見ていたが、神威達のことを思い出し時計を見た。
「あー、やば」
200人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
じょうぎ - 楽しく読ませていただいています!更新頑張ってくたさい! (2020年4月24日 17時) (レス) id: 584ba0be0a (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 今日からちょこちょこ投稿したものの修正をして行きますので、ストーリー自体は変わりませんが、掛け合い等は変化していると思います。よろしければご覧ください…… 。 (2019年3月25日 16時) (レス) id: 3dc5cde6ef (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 紺15さん» コメント有難うございます。面白いといっていただき、とても嬉しいです!なるべく早く更新していこうと思うので、よろしければご覧ください… (2018年12月18日 22時) (レス) id: 26755ac849 (このIDを非表示/違反報告)
紺15 - 初コメ失礼します。とっても面白いです!更新がんばってください!応援してます。 (2018年12月17日 21時) (レス) id: 066ea7ef76 (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 幽銀さん» 是非とも拝見させて頂きます! (2018年8月20日 10時) (レス) id: bc63f6c7e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にわとり | 作成日時:2017年12月27日 21時